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手術麻酔

☆ 手術を受けられる患者様、ご家族の方へ

1.特異体質と麻酔
 麻酔時に使う薬によって、ごくまれではありますがアレルギー反応などの異常な反応を示す方がいらっしゃいます。これまでに、風邪薬や抗生物質、歯科治療、 麻酔などで気分が悪くなったり、じんましんが出たという経験をお持ちの方はお申し出ください。  また、麻酔中に極めてまれ(発生率は0.004%程度)に発生する病気で、 「悪性高熱症」というものがあります。この病気は特定の家族中に発生することがありますので、血縁のある家族のなかで全身麻酔中に異常をきたした方がおられる場合には必ずお申し出ください。


2.麻酔と麻酔科医の役割
 手術は、病気やけがの治療のために行われますが、そのままでは激しい痛みとストレスのために手術を行うことはできません。麻酔科医は適切な麻酔法を選択し、 最適な量の麻酔薬を投与し手術中の痛みを取り除くことはもちろんですが、手術中、 患者のみなさまのそばにいて最新の機器を用いて全身状態を管理し、 手術中に起こりうる様々なできごと(血圧の低下・上昇、不整脈、呼吸の異常、出血、体温の 変化など)から患者のみなさまの生命を守っています。さらに、手術前や、たとえ 手術中であっても患者のみなさまの生命が危険な状態にあると判断したときには、 その状態を外科医に伝え手術の中止を決定するのも麻酔科医の重要な役割の一つ です。


3.麻酔の安全性と麻酔法の選択
 安全性の高い麻酔薬の開発、麻酔装置や監視機器の進歩に加えて、麻酔科医が 細心の注意をもって麻酔管理を行うことにより麻酔の安全性は高まりました(一般に麻酔自体による危険性は0.01%程度といわれています)。しかし、手術の種類や 手術前の全身状態によっては必ずしも安全とは言い切れない場合もあります。 そのような場合にはあらかじめ説明させて頂きます。また、局所麻酔か全身麻酔か、 あるいは併用かといった判断も慎重にさせて頂きます。また、当院麻酔科において は緊急の場合、危険が生じた場合などにおいても迅速に適切な処置が行えるよう 体制を整えています。


4.手術前の飲食止め
 手術・麻酔時に胃の中に飲食物が残っていますと、麻酔により胃の入り口 部分の筋肉の力が弱まり、吐いてしまうことがあります。すると、吐いたものが 気管を通して肺の方へ入り窒息や重症の肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしてしまうこと があります。これを防ぐために麻酔の前には飲食を制限いたします。成人では8時 間を飲食止めの目安としています。普段飲んでいらっしゃるお薬(常用薬)で、 必要なものは手術当日にも少量の水で服用していただきます。


5.麻酔前投薬について
 麻酔や手術時の緊張や不安を和らげるために、手術室への移動前に鎮静・鎮痛薬 を投与する場合があります(すべての場合ではありません)。また、麻酔・手術時 の不整脈、血圧低下、および分泌物の増加を防ぐための薬も使うことがあります。 効果が現れますと眠気やふらつきが出てくることがありますのでベッドから降りて歩くことはしないでください。また、のどや口が乾くこともありますが、薬の効果ですので心配ありません。


☆ 全身麻酔と局所麻酔

○ 全身麻酔
全身麻酔では痛みや意識はなくなり、手術中の記憶も残りません。多くの場合、 自分で呼吸をすることができなくなりますので、口や鼻からのどに入れたチューブ やマスクで人工呼吸をします。全身麻酔に使う薬にはガスの薬と注射の薬があり ます。どちらの薬も手術中、持続的に投与致しますので手術の途中で目が覚める ことはありません。


○ 局所麻酔
痛みを伝える神経を薬で一時的に遮断して痛みを感じなくします。手術中は、 意識ははっきりしていますが、必要に応じてまたはご希望により軽く眠った状態に することも可能です。


○ 脊椎麻酔と硬膜外麻酔
背中から注射をして背骨の中を通っている神経の束(脊髄)の周囲に局所麻酔薬 を注入して麻酔をする方法です。下半身や足の手術の時によく使われるほか、全身 麻酔と併用されることもあります。また、硬膜外麻酔では非常に細い管を脊髄の近く(硬膜外腔)に入れて、手術中や手術後の傷の痛みを和らげ、手術部位の血液 の流れをよくする手段の一つとして使うこともあります。


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