富山大学大学院医学薬学研究部(医学)

先進がん免疫治療学講座

 

寄 附 講 座 の 概 要



1.部局名 

  富山大学大学院医学薬学研究部(医学)

      

2.寄附講座の名称

  先進がん免疫治療学講座

  

3.寄附者       

  医療法人康成会院長(堀井 康弘)

  

     

4.寄附の時期及び期間                

  期間 平成29年7月1日〜平成31年6月30日

  

5.寄附講座の教育研究の概要

【目的】

 現在、がんは我が国の死亡率1位であり、早期発見が治療の要とされているが、悪性度が高く転移しやすいがんでは、診断時すでに終末期に入っていることがしばしば見られる。末期癌に苦しむ患者を東洋医学的アプローチで救済するために、先進がん免疫治療と先進東洋医学アロマテラピーを融合した富山オリジナルの「個の医療に基づく東西融合医療の先進的がん治療法を確立する」ことを目的とする。教育面では、「次世代型がん医療」について、医学部コア・カリキュラム授業科目の「免疫学」、「免疫・アレルギー」、薬学部薬学科・創薬科授業科目の「免疫学」、大学院医学薬学教育部修士課程の「医科学入門」、博士課程の「医学特論」、「免疫分子機能特論」、「免疫細胞機能特論」等の授業科目、や「大学院特別セミナー」等で紹介する。


【教育研究の概要】

(1)先進がん免疫治療学

 最近、がん免疫治療において革新的進展が見られている。がん免疫治療は手術、抗がん剤、放射線治療に続く第4の治療法として古くから期待されてきたが、これまで、がん臨床医を納得させる治療成績は得られていなかった。しかしながら、抗PD−1抗体などのいわゆる免疫チェックポイント分子阻害抗体の登場や、CD19を標的としたCAR(キメラ抗原受容体)−T細胞(CAR−T)療法の開発により、その抗腫瘍効果に常識を覆すような治療成績が報告されている。2013年のサイエンス誌で、「近年、最もブレークスルーした医学研究領域」として、「がん免疫治療」が挙げられたことは有名である。

 がん免疫治療は、これまでのがん治療の治療標的が「腫瘍」そのものであったのに対して、宿主の免疫能を標的にしているという意味で革新的治療法であり、最近開発されてきた迅速で網羅的TCR遺伝子クローニング技術の開発や、CAR—T技術の進展と合わさって、先進的がん治療戦略のパラダイムシフトといえる。現時点では、チェックポイント阻害抗体やCAR−T治療が先進がん治療の2つの柱として注目されているが、これからさらに期待される先進がん治療法として「TCR遺伝子治療法」がある。10年後には、これらの3つの手法が、がん治療の中心になると予想されている。

 「先進がん免疫治療学講座」では、富山大学医学部免疫学講座が有する世界トップレベルの迅速なTCR遺伝子取得法を応用し、がん患者から得られたTCR遺伝子を、がん患者のT細胞に導入し、患者に戻して癌治療を行う「テーラーメード(個の医療)のTCR遺伝子治療法」の確立を目指す。そして、それらの研究成果を医学部・薬学部の授業カリキュラムあるいは大学院医学薬学教育部(修士課程又は博士課程)の授業科目、または「大学院セミナー」等で紹介する。


(2)先進がんアロマテラピー

 最近、「心身一如の治療体系」でからだ全体の治癒力を促進する漢方医学として、「アロマテラピー」が注目されている。「アロマテラピー」は主に精油を用いて人間が本来持っている自然治癒力を高め、病気を未然に防ぎ、治癒を促し、体質を改善するなどの効果がある自然療法である。20世紀初頭に「アロマテラピー」という言葉が登場して以来、急速に研究が進み、健康の増進、リクライゼーション、介護や医療、予防医学などに活用されている。しかし、癌の治療に対するアロマテラピーの根拠は少ない。

 富山大学医学部消化器外科学講座では、これまでに能登産ヒバ精油や漢方薬である大建中湯、あるいは生薬のユキノシタに癌の増殖を抑制する効果があることを報告してきた。現在はそのメカニズムについて研究を行うとともに、各成分の調合による新規がん治療薬の開発を行っている。

 「先進がん免疫治療学講座」では、富山大学医学部消化器外科学講座で実績があるアロマテラピーの研究を発展させ、富山オリジナルの「アロマ先進がん治療法」の確立を目指す。そして、それらの研究成果を医学部・薬学部の授業カリキュラムあるいは大学院医学薬学教育部(修士課程又は博士課程)の授業科目、または「大学院セミナー」等で紹介する。

930-0194 富山県富山市杉谷2630

富山大学大学院医学薬学研究部(医学)  先進がん免疫治療学講座

Department of Innovative Cancer Immunotherapy, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama