エコチル調査からわかったこと

発表した論文

追加調査

黄砂が来るとアレルギー症状が出やすくなる
~妊娠期のお母さんの結果~

 近年、アトピーやぜん息に悩まされている方が増えています。

 富山大学、京都大学、鳥取大学の研究グループは、黄砂や黄砂と一緒にやってくる大気汚染物質がその原因の一つではないかと考え、エコチル調査の追加調査として健康への影響を調べております(詳細はこちら→黄砂調査)。

 今回の報告は、黄砂が飛んで来た時の、妊娠中のお母さんたちのアレルギー症状についての結果です。富山・京都・鳥取に住む3,327名のお母さんが調査に参加してくださいました(そのうち1,477名が富山の方です)。

 調査の方法は、次の通りです。

①黄砂が飛んだことを判定できる「ライダー(LIDER)」という装置を使います。
※ライダーは、富山県では太閤山に設置されています。
②ライダーが黄砂を感知した日に、お母さんの携帯電話にアンケートメールが配信されます。
③アンケートでは、その日にアレルギー症状が出たかどうかについて回答していただきます。
④比較のため、黄砂が飛ばなかった日にもメールが配信され、アンケートに回答していただきます。

 その結果、黄砂がより多く飛んだ日には、鼻や目のアレルギー症状が出やすいということがわかりました。

 また、黄砂がより多く飛んだ日は外出時間が長くなると、アレルギー症状が出やすいということもわかりました。

 黄砂の情報は、黄砂ライダーのホームページでほぼリアルタイムに更新されています。アレルギー症状をお持ちの方は、ここで情報を確認してみましょう。アレルギー症状でお悩みの方は、黄砂の多い日は不要な外出や外気に触れるような行動を避けると、症状を軽くできそうです。

 今後、この調査に参加されたお母さんから生まれたお子さんの状況についても、結果をご報告していく予定です。

 アンケートは慣れると30秒程度で回答できるものですが、多い時には1か月に10回くらい配信されることもありました。なにかと大変な妊娠中に回答いただくにもかかわらず、このたびはなんと全配信の約70%もの回答が集まり、非常に精度が高い結果を得ることができました。ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

Kanatani KT, Hamazaki K, Inadera H, Sugimoto N, Shimizu A, Noma H, et al. Effect of desert dust exposure on allergic symptoms: A natural experiment in Japan. Ann Allergy Asthma Immunol. 2016;116(5):425-30 e7. より

追加調査名:戸外活動時間を考慮に入れた、土壌性ダスト(黄砂)による呼吸器/アレルギー疾患リスクの定量的評価

エコチル調査富山ユニットセンター 2017年12月

To Page Top▲