ナノマテリアル曝露と胎児発育不全に関する調査

ナノマテリアル曝露と胎児発育不全に関する調査

概要

ナノマテリアル曝露と胎児発育不全に関する調査を始めます

 ナノマテリアルは1ミクロンの1/1,000の長さの材料で、従来の材料にはない優れた性質を示すため、食品、化粧品、医薬品などに広く用いられています。例えば、インスタント麺に湯を入れても絡まないのは、ナノコーティングしているためで、化粧品ではナノマテリアルにより皮膚の深くまで薬液が浸透することになりました。これらナノマテリアルが生体に与える影響については十分な知見は得られていませんが、私達は世界に先駆けて、大量にナノマテリアルを妊娠したマウスに投与すると、流産や胎児発育が障害されること、母乳中にもナノマテリアルが分泌される事を報告しました(Nat Nano 2011, ACS Nano 2016)。
 これらの結果はあくまで、動物にナノマテリアルを大量投与した際の事ですので、直ちに心配する事はありません。しかし、母親が知らない問に食事等で体内に取り込んだナノマテリアルが、赤ちゃんの血液中に移行しているか?また赤ちゃんの発育障害の原因の1つになっていないか?との疑問につき、調査する必要があります。
 私達の研究班では、世界で初めて体液中のナノマテリアルを検出する方法を開発しました。そこで、エコチル調査で協力していただき採取した血液の一部を使用させていただき、どれくらいの量のナノマテリアルがお母さんの血液中にあり、どれくらいの量がお母さんから、お腹の中の胎児(赤ちゃん)に移行しているのかを調査いたします。また発育障害があり小さく産まれた赤ちゃんの血液中に、ナノマテリアルが多く含まれていないかを調査させていただきます。
 これらの研究により、現時点での母子のナノマテリアルの曝露状況が明らかになり、児への悪影響が出ていないかが判明します。もし、大きな影響が出ているなら早急なナノマテリアルに対する規制が必要ですが、全く問題のないレベルであれば現時点での安全性が証明されることになります。

研究責任者
富山大学大学院医学薬学研究部
産科婦人科学講座・教授 齋藤滋
ナノマテリアルとは?

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