教室紹介

当研究室について

当研究室は,平成19年4月1日に富山大学大学院医学薬学研究部(医学)に開設しました寄附講座です.平成22年3月31日に第一期3年間の活動を終え,平成22年4月1日より第二期(平成25年3月末まで)がスタートしました.過去3年間は運営寄附金,文部科学省科学研究費補助金,知的クラスター創成事業,民間研究助成金による御支援を頂き,研究を展開してきました.その間,新規の研究プロジェクトを立ち上げ,推進することもできました.さらに創薬探索の研究も「ほくりく健康創造クラスター」のサブテーマ「天然薬物の免疫制御を活用した医薬品シーズの開発」の一環として,研究支援機関との共同研究として進行しています.

寄附講座支援機関(支援企業:五十音順)

寄附講座の設置目的と目標

今世紀は生命科学の時代と云われ,ゲノム情報を活用した基礎生命科学研究がグローバルに展開されています.とりわけ,免疫バイオの基盤研究の成果は,疾病の予防・診断・治療および創薬へと応用され,その範囲がますます広がりつつあります.バイオ医薬品開発の方向性として,免疫システムを制御する天然物や化合物の探索,抗体医薬等の開発に精力が注がれています.「免疫バイオ・創薬探索研究講座」では,以下のような明確な目的と目標を設定して,活発な研究活動を行います.

  1. 免疫システムの作動と制御機構に関し,基礎から応用にいたる先進的な研究を推進し,免疫病の予防,診断,治療及び創薬探索に関する教育と研究に貢献する.
  2. 富山大学での教育と研究の推進により,ポストゲノム時代における「くすりの富山」の更なる発展に貢献できるよう,創薬開発を学術的に支え人材の育成に貢献することを目指す.
  3. 富山県内の製薬企業とも連携し,研究基盤シーズの拡充に務め,グローバルな研究展開が可能な拠点となるべく尽力する.また,国内外の第一線の研究者等と富山大学,及び県薬事研究所製薬メーカーの連携や交流の活性化に寄与する.

研究課題

  1. 自然免疫と獲得免疫の相互作用を明らかにし,それを制御する分子や細胞群を同定すると共に, 天然物や和漢薬による制御の可能性を探る.
    • 原始IL-5産生細胞の局在や機能を解析し, 腸管や気道などの粘膜組織におけるIL-5の役割を明らかにする. また, IL-5による好酸球やBリンパ球の制御機構を解析し, 免疫制御におけるIL-5の機能を明らかにする.
    • 肥満や糖尿病の発症・増悪に関わるToll様受容体のシグナル伝達機構を解析し, それが脂肪組織の慢性炎症やインスリン感受性を制御する機構を明らかにする. また, 脂肪組織炎症に関わる分子や細胞群を解析し, 炎症を抑制する天然物や和漢薬を探索する.
    • 炎症性サイトカインの作用を阻害し, 糖尿病や慢性炎症の予防や治療に利用可能な天然物や和漢薬を探索する.
    • 自然免疫系の活性化を指標に, 感染や慢性炎症の予防や治療に利用可能な免疫賦活分子, 天然物や和漢薬を探索する.
    • 自然抗体を産生するB-1リンパ球の活性化と粘膜免疫制御の分子機構を明らかにし, その制御系を探索する.また, B-1リンパ球を活性化する天然物や和漢薬を探索する.
  2. アレルギーやがん, 自己免疫病などの免疫疾患,および肥満や糖尿病などの代謝性疾患のモデルマウスを用いて,免疫病や慢性炎症の病態を明らかにし, それを制御する分子や細胞群を探索する.
  3. 疾病の予防,診断,治療及び創薬に寄与する免疫バイオの基盤研究を推進する.

産官学連携への取り組み

富山県は330年以上の「くすりの富山」の伝統があり,医薬品生産業は富山県地域における産業の振興に重要な位置を占めています.また富山大学における伝統的な和漢薬研究に基づいて,新しい和漢薬製剤の開発やその利用が進んでいます.さらに薬事法の改正により製造業の完全なアウトソーシングが可能となり,医薬品製造の受託先として富山県における医薬品製造業は活性化している状況にあります.

富山県における医薬品産業の更なる発展の基盤を築くために,「くすりの富山」の伝統を大切にしつつ,これまでの和漢薬製剤開発や医薬品製造受託に加えて,新たな医薬品開発の方向性としてバイオテクノロジーを活用した医薬品開発研究を取り入れることが必要になると考えられます.寄附講座での基礎及び応用研究と県内製薬企業との交流を通じて,本県におけるバイオテクノロジーと医薬品開発研究を一層推進できるよう,微力ながら尽力したいと考えています.そのために,

  1. 免疫学の基礎研究を背景として,県内製薬メーカー,県薬事研究所及び富山大学間の産学官連携による創薬探索研究の推進に努めます.
  2. 県内製薬メーカーに免疫学やバイオテクノロジーに係る最先端の情報を提供し,技術指導や共同研究を実施します.
  3. 目標とする研究の推進と研究成果をあげ,富山での国際学会の開催など,国内外の学問的な交流の活発化,バイオテクノロジ−を活用した医薬品開発の国際拠点づくりの推進に取り組みます.

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