研究案内
業績案内へ

  • 消化管領域の研究
  • 肝胆膵領域の研究
  • 血液内科領域の研究
  • 腫瘍内科領域の研究

消化管は食物の消化・吸収のみならず、外来性の様々の因子、微生物と接する最前線でもあり、その調節異常や過剰反応に起因して多彩な消化管疾患を発症します。また消化管は免疫系、内分泌系、神経系とも密接に連動しており、それらを介して複雑な病態が形成されます。消化管の研究は多様な消化管疾患の病態を分子生物学的手法により解析し、その原因となる病因を明らかにし、明確に病因論に根ざした治療法の開発、あるいは疾患の分子基盤を明らかにし、病態関連分子を標的とした新規治療法を開発し、臨床応用を目指すことを目的としております。


01 ヘリコバクター・ピロリ感染治療と胃がん、胃マルトリンパ腫

ピロリ菌  胃潰瘍・十二指腸潰瘍のピロリ菌除菌治療は一見、簡単に見えますが、画一的な除菌はCAM耐性菌の急増(我が国のピロリ菌の40%は耐性)を誘導し、「上手な除菌治療」が必要です。また、我が国では胃がん予防のために、全てのピロリ菌感染者を保険診療下で実施できますが、除菌後は、リスクは約30%まで低下しますが残ります。したがって、除菌後の発がん高危険群の絞り込みが必要で、既に当科では背景胃粘膜の高リスクのマーカーとなるメチル化遺伝子を決定し、本年から、これを用いた厚生労働省支援下での臨床研究が進行中です。
これまで胃全摘が主流であった胃マルトリンパ腫も除菌および放射線治療により、長期間の寛解が維持できます。


02 機能性消化管疾患の分子機構と新規治療標的分子

 消化管に関連した症状を主訴に受診する患者さんの半数は内視鏡検査では異常が見られないGERD、機能性ジスペプシア、過敏性腸症候群に代表される機能性疾患です。 近年、これら機能性疾患の発症に関連する分子(例えばバニロイド受容体など)が明らかにされてきました。 その分布、機能はいまだ十分には明らかにされておりませんが、それらの過剰反応が症状と関連するため、その標的分子の分布、機能異常と機能性消化管疾患の関連研究が今後、新たな治療法の開発に結びつくでしょう。


03 非ステロイド系鎮痛剤による小腸潰瘍の発症機序と新規治療薬

 これまで「暗黒の臓器」と言われていた小腸を観察、処置ができる小腸内視鏡、カプセル内視鏡の普及により、小腸には予想以上に非ステロイド系鎮痛剤による潰瘍病変が生じ、 消化管出血源となっていることが明らかとなってきました。しかし、小腸潰瘍の発症機序は全く不明であり、また上部と異なり、酸分泌抑制薬は全く無効であり、その機序研究に基づく新しい治療薬が求められています。 非ステロイド系鎮痛剤による小腸潰瘍モデルを用いて、その機序に関わる研究、治療となる標的分子を明らかにしており、この考え方から新たな薬剤の開発が進んでおります。


04 潰瘍性大腸炎、クローン病の分子標的治療

 潰瘍性大腸炎、クローン病治療の進歩は著しく、従来型の患者さんのQOLを考慮しない治療法は過去ものであり、世界標準はQOLの向上はもちろん、粘膜炎症制御をターゲットとした新しい治療法、原因治療に明らかに軸足が移ってきました。 潰瘍性大腸炎に対して先駆的な多施設二重盲検除菌治療(Am J Gastroenterol, 2010)により治療効果が確認され、今年度から厚生労働省支援下での大規模臨床研究が進行中です。 また、世界的には、発症に関与する腸内細菌の免疫学的関与に関わる研究が爆発的に進んでおり、当科教授は腸内細菌に関する消化器病学会付置研究会の代表世話人でもあります。 他方、早くから分子標的薬剤等による粘膜炎症を標的とした治療を導入し、多数の難治例潰瘍性大腸炎やクローン病の治療を行っております。


05 消化管間質腫瘍(GIST)の分子標的治療

胃GIST

 当科は我が国でもトップクラスの消化管間質腫瘍の内科的治療実績があり、世界を網羅したグローバル臨床治験にも参加し、当科教授は以下の薬剤開発のアドバイザリーコミッティーでもあり、最新情報も瞬時に入手でき、 富山県、石川県、信越地域の各病院から紹介された多数の患者さんの治療にあたっております。また、北陸地域の患者さん会のサポートもさせていただいております。 次々と新規耐性克服薬が登場し、ほとんどの患者さんが、10年以上、通常の生活を送っており、今後も新規耐性克服薬の臨床治験、新規耐性克服薬の開発が進んでおります。 また、耐性機序に関わる分子生物学的研究も進めております。


06 消化器癌の放射線化学療法や分子標的薬を用いた集学的治療

食道CRT

 食道癌に対する放射線化学療法を早くから導入し、良好な治療成績を上げております。進行大腸癌に対しては、北陸地域で最初に分子標的薬剤を併用した化学療法を導入し、 また新規の分子標的薬剤も早くから導入し、患者さんのニーズに応じた最良で最新の治療を提供しています。これら分子標的薬剤の効果には個人差があり、その背景となる分子機序研究を行い、テーラーメイド治療を目指しております。


07 消化器癌の内視鏡治療(内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術)

ESD  粘膜内にとどまる食道癌、胃癌、大腸癌に対して安全、安心な内視鏡的切除術を施行し、良好な治療成績を上げています。 とくに当科では、食道癌のESDに力を入れており、県内の施設より多数の紹介を受け、治療に取り組んでおります。


08 胃食道逆流症(GERD)

GERD

 近年増加傾向にある、胃食道逆流症についての臨床研究に取り組んでいます。当科では特に、「胃食道逆流症と唾液」についての研究を盛んに行い、その成果を海外・国内に向けて広く発信しています。 研究成果をもとに、患者さんひとり一人にあった最適な治療を提供することが最大の目標です。

肝臓グループは、初代の佐々木博教授、2代目の渡辺明治教授の指導のもと、世界をリードできる高いレベルの基礎的研究、臨床研究を常に心がけ日々切磋琢磨につとめてきた。現在もその研究姿勢は引く継がれており、多くの研究が蓄積され現在にいたっている。現在、肝臓グループに属する人数は以前に比べると若干減少傾向であるが、互いにアイデアを出し合い助け合いながら人数をカバーするべく、日々の診療のかたわら研究にいそしむ毎日を送っている。どの研究も臨床に立脚したテーマで、最終目標は臨床応用であり一人でも多くの臨床家に興味を持ってもらえると幸いである。以下、研究テーマについて簡単に内容を説明する。


01 幹細胞を用いた臓器再生治療

 骨髄細胞、臍帯血、末梢血に含まれる幹細胞を用いた細胞移植による肝再生、消化管再生をめざす研究。GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞、ヒト臍帯血を用いてstem cellの分化誘導機序の解析を行っている。また輸血細胞治療部を中心に、自己末梢血幹細胞を用いて臓器再生に向けた治療効率を高める研究も行っている。


02 新規増殖因子Metron Factor-1 (MF-1)の開発

 MF-1はHGF、MSPをつないだ新規のキメラタンパクで、癌転移能を持たない新規増殖因子である。再生医療に応用するための安全性の確認と機能解析を行っている。本研究イタリア・トリノ大学との共同実験である。


03 肝線維化機序の解明と新しい治療法の開発

 抗線維化作用を有する肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子治療法の開発、アンギオテンシン受容体阻害剤 (ARB)を用いた抗線維化治療の開発、特に非アルコール性脂肪肝炎動物モデルの確立とその治療法の開発を行っている。


04 癌の抗アポトーシス機序の解析

 コロンビア大学との共同研究でアポトーシス抑制分子であるFAP-1の発現と調節機構について各種消化器癌、肝癌細胞株で解析している。


05 細胞チップシステムの開発

 免疫学教室との共同研究(知的クラスター事業の一環)として、細胞チップシステムを開発し、抗体医療への応用などを目指している。細胞チップとは一個のリンパ球が入る数十万個のウェルから成り、数十万個のリンパ球を単一細胞レベルでの網羅的な解析することが可能である。このシステムを用いて人HBs抗体の取得に成功しており、現在さらなる応用を目指している。B細胞だけでなくT細胞の解析もすすめており、慢性C型肝炎、自己免疫疾患、癌などでの応用を検討している。


06 進行肝癌の新規治療法の開発

 肝癌は他臓器癌と異なり高率に再発を繰り返し、肝不全、癌死に至る難治性疾患である。進行肝癌に対する分子標的薬を利用した新規化学療法の開発に取り組んでいる。また、超音波エネルギーを併用した抗がん剤の増感効果や、多剤耐性の克服を目指した新規治療法の開発も行っている。

富山では貴重な血液専門医による精鋭チームで診療を行っています。

院内のみならず県内外から専門医派遣の依頼や患者さんの紹介・コンサルトを受け、引っ張りだこの状態です。

血液内科の対象となる患者さんは、白血病・リンパ腫・骨髄腫など血液腫瘍や貧血・骨髄不全、出血・凝固系障害などの幅広い領域を含み、一般にはなじみが薄いまれな疾患もよく見かけます。

血液内科の特徴として、個々の患者さんを診断から治療まで一貫して診られ、幅広い視点が身に付きます。一人の患者さんに費やすエフォートも大きいため患者さんとのつながりが強いように思います。血液内科の分野では病態を理論的に理解し、疾患を解明する研究に魅力がありますし、臨床を志す者にも全身を総合的にみる能力が培われます。

血液専門医となれば需要が大きいと思われます。また将来は血液専門医を考えない人でも、全身を見るジェネラルな内科を考えている人は、内科認定医や総合内科専門医の経験を要するため血液内科をローテートすることを強く勧められます。また腫瘍の研究・臨床に興味ある人も血液内科を経験して、深い理解が得られるものと確信します。

血液腫瘍の領域は薬物療法の効果が高く、基礎研究の成果が速やかに臨床に還元されることから、腫瘍の研究や診療をリードする分野と言われます。従って、腫瘍に興味ある人は誰でも一度は血液腫瘍の世界に触れてみる価値があると信じます。

当グループの特徴としては、研修医も含めて活発に意見を闘わせ、きめ細やかな指導が得られます。学会発表や研究会でも他の病院・大学の血液内科医との交流も盛んで、全国の専門家と知己になれます。造血幹細胞移植で有名な北楡病院/北海道大学/国立がんセンター中央病院などを研修施設としており、人材の交流も盛んです。


臨床紹介

骨髄採取

血液腫瘍は多岐にわたり、比較的稀な疾患が多いため北陸や全国的な多施設共同研究に参加して質の高い臨床データを提供することを心がけています。これまでの当グループの研究ではウイルス感染とリンパ腫の発生病理に関する研究と、酸化ストレスと造血器腫瘍、白血病の免疫治療に関する基礎的研究などで学位を取得してきました。

現在では大学の特性を生かして、検査部や基礎医学の教室の協力を得て血液疾患に関連する感染症に関する研究、プライマリケアにおける血液疾患の関連についての疫学的研究を行っています。

 消化器疾患の内視鏡治療・治療の他、食道・胃・大腸・膵がんなどの消化器がんに対する化学療法や放射線化学療法を積極的に行っております。中でも食道がんに対する根治的な放射線化学療法、胃がんや大腸がんに対する化学療法が中心です。近年、消化器がんの治療は、化学療法の進歩や分子標的薬の開発により多様化しつつあります。当科では専門的に消化器がんの診療にあたり治療成績の向上に努めています。また、研修医の教育や腫瘍内科医の育成に積極的に取り組んでいます。



01 食道癌

放射線化学療法の治療成績の向上
二次化学療法の開発


02 胃癌

1) ESDの有効性・安全性の検討
2) 新規多剤併用療法の開発
3) HER2陽性の切除不能・再発胃癌に対する化学療法の後ろ向き研究 (臨床研究ページも参照ください )


03 大腸癌

1) 標準化学療法の確立
2) 抗がん剤の毒性に対する漢方薬の効果


04 膵癌

1) 標準化学療法の確立

ヘ