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京都大学 竹内 理 先生をお招きして先端ライフサイエンスセミナーを開催しました

2017年7月21日(金)に、京都大学ウイルス・再生医科学研究所 教授 竹内 理 先生をお招きして、『mRNA分解による炎症応答調節メカニズム』について御講演頂きました。最新の研究内容を判りやすく講演していただき、また多くの皆様のご参加もあり、盛況のうちに開催することができました。

2017年07月21日

LC/MS/MSを用いたNADメタボロミクスに関する論文がBiomedical ChromatographyにオンラインでPublishされました

博士研究員の夜久が中心に行った、NADメタボロミクスに関する研究がBiomedical ChromatographyにオンラインでPublishされました。本論文では、トリプル四重極質量分析計(LC/MS/MS)によるMRM(Multiple reaction monitoring)法を使って、NADやNAD関連代謝物(NAD metabolome)を一斉かつ絶対定量する系を確立し、培養細胞やマウス組織などの夾雑物を多く含むサンプルでのNAD metabolomeの測定を可能にしました。さらに、これら測定系を用いてNAD関連代謝物の老化による変化を各種マウス臓器で測定したところ、肝臓や骨格筋では加齢とともにNADレベルの著明な低下を認めるのに対し、腎臓ではNADの大きな変化は見られませんでした。一方で、腎臓ではNAD前駆体であるNicotinamide mononucleotide(NMN)やNicotinamide riboside(NR)が他臓器と比較して非常に高い濃度で存在し、これらは老化で増加することが解りました。この結果はNAD代謝の加齢による変化が臓器により異なることを示唆するものであり、本測定系を用いることで、NAD代謝と老化に関する研究をさらに発展させることができると期待されます。

PubMedリンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29424941

2018年02月10日

NAD代謝と老化・寿命に関する英文総説がAgeing Research ReviewsにオンラインでPublishされました

NAD代謝と老化・寿命制御に関する英文総説をAgeing Research Reviews誌に執筆しました。本総説ではNAD代謝酵素の生化学的な特徴について解説するとともに、老化におけるNADレベル減少のメカニズム、NAD代謝と老化・老化関連疾患との関わり、さらにはNAD代謝による寿命制御メカニズムについて詳細に解説しました。250近くの文献を引用し、近年の本分野における進展をほぼ網羅的にカバーした総説ですので、興味のある方は是非読んでみて下さい。

PubMedリンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29883761

2018年06月11日

NAD合成酵素Nmnat3と肥満、インスリン抵抗性に関する論文がAging CellにオンラインでPublishされました

Nmnat3はミトコンドリアに局在するNAD合成酵素と考えられてきましたが、Nmnat3のノックアウトマウスでは、特にミトコンドリアNADレベルには異常がなく、むしろミトコンドリアのない赤血球でのNAD代謝に重要な役割を果たしていることを我々は今まで明らかにしてきました (Hikosak et al. JBC 2014, Yamamoto et al. Plos One 2016)。しかしながら、Nmant3を培養細胞で過剰発現すると一部はミトコンドリアに局在することから (Hikosak et al. JBC 2014)、何らかの形でミトコンドリアNAD代謝に関与していることが示唆されていました。そこで、Nmnat3を全身に過剰発現するマウス(Nmnat3 Tgマウス)を用いて解析を行ったところ、Nmnat3 TgマウスではミトコンドリアNADレベルの著明な上昇が見られることが解りました。また、それに伴い老化や肥満により低下していたミトコンドリア代謝機能の回復が見られ、加齢や肥満に伴うインスリン抵抗性が改善されることを見出しました。興味深いことにこのマウスではNADだけでなくNADのアナログであるNGD (Nicotinamide guanine dinucleotide)も著明に上昇していることが解りました。NGDの生体内での機能についてはまだ良く解っていませんが、NAD同様、代謝や老化に関与しているのではないと考えており、今後さらに解析して行く予定にしています。

PubMedリンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29901258

2018年06月15日

セリン合成酵素PHGDHの脂肪細胞特異的ノックアウトマウスに関する論文がBBRCにオンラインでPublishされました。

セリンは非必須アミノの一つであり、生体内では解糖系の中間体である3-ホスホグリセリン酸からNADを補酵素として合成されます。PHDGHは神経系に強く発現していることが知られており、D-セリン量の調節を介して神経機能の制御に深くかかっていると考えられています。興味深いことに、PHDGHは脂肪組織にも非常に強い発現が見られていましたが、その機能については不明でした。そこでPHGDHの脂肪細胞特異的ノックアウトを作成し、その生理的機能について検討を行いました。このマウスは脂肪細胞の分化などには特に異常を認めず、通常食を与えている際は特に目立ったフェノタイプは見られませんでした。しかしながら、高脂肪高ショ糖食により肥満を誘導した際には、野生型マウスと比較し耐糖能の有意な改善を認めました。また、野生型マウスにセリン欠乏食を与えた際も同様の結果が得らました。以上の結果から、セリン代謝は糖尿病治療の新たな標的となる可能性が示唆されました。

PubMedリンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30180949

2018年09月08日