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御挨拶

 この度、第18回日本老年脳神経外科学会を富山市にて開催させて戴きますことを、教室員と共に大変光栄に存じております。

 近年、我々脳神経外科病棟へ入院される患者さんは年々高齢化の一途を辿り、治療スタンダードはむしろ高齢者にあると言っても過言ではありません。手術の手技については、高齢者といえども若年者と特に異なることはないとの思いはあります。しかし得られる治療結果は、その厳しさ困難さを如実に示しております。例えば、くも膜下出血の患者さんは、多くの地域で70歳以上の方が全体の40%を超え、80歳以上でグレード IV 以上の方では、直達手術後の自立はほぼ皆無との報告が現実であります。また軽症で手術も問題なく行われた方でも、原因不詳の高次機能障害をきたし、日常の生活は大きく制限されてしまうような例も少なくありません。手術手技の熟達に加え、手術適応の決定や周術期の管理等、高齢者治療をめぐる課題は山積しております。

 本学会はこのような高齢者の脳神経外科治療をいかに行うべきか、如何にしたら真の意味での成績向上が得られるのかなど、様々な臨床成績や診断・治療の工夫・成果などについて、ご報告、ご討議頂く場であります。

 今回の学会では、主題を「高齢者脳神経外科手術の意義を求めて」とさせて頂きました。会員からは60題余の応募を頂き、2つのミニシンポジウムと一般口演およびポスターセッションを組ませて頂きました。高齢者の病態を踏まえ、各種疾患の治療成績向上ため、大いに議論をかわして頂きたいと存じます。海外からは韓国 Dong-A UniversityHyung-Dong Kim 教授においで頂き、"Treatment of Geriatric Patients with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage" のご講演をいただきます。ランチョンセミナーでは、金沢医科大学麻酔科学講座の土田英昭教授に、「高齢者手術における麻酔管理上の問題点」のご講演を頂きます。また富山医科薬科大学救急・災害医学講座の奥寺敬教授には、「高齢者の頭部外傷」に関わる最新の知識につき、教育講演をお願い致しました。参加の皆様が、高齢者外科治療の現状に理解を深め、また十分な議論を頂けるよう、口演発表は一会場のみとし、討論の時間も多めにとるよう努めました。空間的、時間的余裕には厳しい点もありますが、ご理解、ご容赦いただけるよう願っております。なお今回は、第14回脳神経外科手術と機器学会 (CNTT) を引き続き開催致しますことより、4月8日(金)朝に両学会の合同シンポジウムを企画させて頂きました。

 患者さんの医療に真の意味で貢献できる Evidence、確実安全な治療実践のための Experience、常に我々に問われる課題であります。問題解決に向け、本学会が実りの多い会となりますよう、皆様のお力添えを切にお願い申し上げます。

 4月上旬の富山は寒さは残りますが、海の幸と早春の息吹にあふれております。どうぞ学会、そして富山を楽しんで下さい。感謝の念を込め御挨拶と致します。

平成17年4月吉日
第18回日本老年脳神経外科学会
会長 遠藤俊郎 

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