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第14回脳神経外科手術と機器学会 抄録


第1日目 4月8日(金)B会場: 富山全日空ホテル 3階 飛鳥

一般演題 7: 手術手技機器の開発と工夫 (3) 16:40〜17:10 発表5分、討論2分

座長: 寺本 明

1B5-3

下垂体腫瘍に対する経鼻的再手術におけるElectromagnetic Field System (PAL-I)の有用性
Usefulness of Electromagnetic Field System (PAL-I) for re-transnasal surgery in pituitary diseases

阿部琢巳 ABE Takumi
藤島裕丈、桑名亮輔、杉山耕一、今泉陽一、和田 晃、小林信介、松本浩明、飯田昌孝、国井紀彦、泉山 仁

昭和大学 医学部 脳神経外科

(目的) PAL-Iは、20-30ワットの低出力でプローブ先端にピンポイントの高熱が得られ、組織の凝固・切開・蒸散機能を有する高周波装置であり、髄膜腫などの硬い腫瘍の摘出に使用されている。我々は少し長めのプローブ先端を開発し、下垂体腫瘍の経鼻的再手術に応用しているので、実際の手術例を供覧しながら、その有用性について報告する。(方法) 我々は2001年に導入以来、PAL-Iを17例の下垂体腫瘍の経鼻的再手術に使用した。内訳はACTH産生腺腫3例、GH産生腺腫3例、非機能性腺腫8例、下垂体膿瘍1例、ラトケ嚢胞2例。男性10例・女性7例。年齢は35〜69歳 (平均50歳)。13例は2回目、2例は3回目、1例は4回目、1例は5回目の経鼻的再手術時に使用した。PAL-Iは鞍内の腫瘍摘出のみに用いられた。(結果) 全例、経鼻的再手術の際、鼻腔内の繊維性成分に富んだ硬い組織を短時間で十分に蒸散・除去し得た。通常の軟らかい腫瘍は、micropressure suction irrigation system (MPSIS)で洗浄・吸引・除去した。MPSISだけでは摘出困難な直視下の硬い腫瘍は、SONOPET(細いニードルタイプの先端を有する超音波吸引器)を用いて摘出した。さらにSONOPETでは摘出困難であった非常に硬い線維成分に富んだ腫瘍の摘出にPAL-Iは有効であった。組織の摘出時には、随時生検をし、腫瘍のみを摘出した。欠点としては、組織の蒸散時、煙が出ることと凝固機能が不十分なことである。(結語) PAL-Iは鼻腔内の繊維性成分に富んだ硬い組織や鞍内の硬い腫瘍を蒸散・除去することができ、経鼻的再手術の際、極めて有効な手術器具である。この器具が開発されて以来、再手術時の鼻腔内の手術操作が極めて短時間にさらにスムーズに行われるようになり、経鼻的手術の適応が拡大された。


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