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第14回脳神経外科手術と機器学会 抄録


第2日目 4月9日(土)B会場: 富山全日空ホテル 3階 飛鳥

一般演題 11: 基本的アプローチの know how (2) 10:50〜11:15 発表5分、討論2分

座長: 有田憲生

2B4-3

頚椎前方アプローチの基本的手術手技
Standard anterior cervical approach for spinal surgery

井上辰志 INOUE Tatsushi
水野順一,中川 洋,近藤史郎,伊東清志,犬飼千景

愛知医科大学 医学部 脳神経外科

【目的】頚椎の前方アプローチは脳神経外科医にとって最も基本的なものの一つであるが,pitfallも多い.後出血は帰室後に見逃されると致命的となり,開創のレベルが不適正のままだと手術が困難となるが,開創範囲を尾側に拡大すると,術後の嗄声の原因となる.頚椎前方アプローチの手術手技と基本的な要点をビデオで示す.【症例と方法】1997年〜2004年の8年間に愛知医科大学脳神経外科で行った頚椎前方手術は,371例である.手術は仰臥位で頚部を軽く伸展する.皮膚切開は審美的な観点から,一部の3-level approach と脊髄損傷例を除いて,皮膚線状に沿った横切開とする.アプローチ側は術者が右利きであることを前提に,病変側から行うtrunsuncal approach を除いて,全例で右側である.広頚筋は気管・食道と胸鎖乳突で,筋繊維に沿って切開し,まず肩甲舌骨筋を同定する.原則としてこの筋の上方から進入し,blunt 及びsharp dissection をおりまぜながら頚椎前面に到達する.広頚筋以下,結合組織を介して進入し,切開するのは頚筋膜のみで,筋腹の切断は不要である.【結果と考察】後出血により気管切開と再開創を要した症例が1例ある.原因は不十分なfacial vein の止血である.嗄声は全て一過性で永続した症例はない.正確な外科解剖の理解,気管・食道に対する愛護的なretractorの取り扱いにより,頚椎前方アプローチは極めて安全で低侵襲の優れた術式であると考えられる.


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