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第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場

一般演題 2: 正常圧水頭症 9:55〜10:30 発表5分、討論2分

座長: 石川正恒

O-11

高齢者の特発性正常圧水頭症の診断においてCT脳槽造影は生き残っていけるか?-髄液流出抵抗値Roとの比較より-
Can CT cisternography survive in the field of iNPH diagnosis?

和智明彦 WACHI Akihiko
伊藤敬孝,多田博史,小池順平,新井 一*

(財)東京都保健医療公社 多摩南部地域病院 脳神経外科、順天堂大学 脳神経外科*

【はじめに】CT脳槽造影(CTC)は髄液循環の検査法としてよく知られているがiNPH診療ガイドラインでもその有用性が疑問視されている.今回我々は高齢者iNPH疑い症例に対してCTCと髄液流出抵抗値Ro測定を行ない,両者を比較検討することでCT脳槽造影の有用性を再検討したので報告する.【方法と対象】脳室拡大と歩行障害と認知力障害,尿失禁のいずれか一つを認めた男性15例,女性5例(平均71才)を対象とした.腰椎bolus負荷法でRoを測定後,造影剤を注入し当日,1日後,2日後計3回CTCを行った.CTCの結果はガイドラインの判定基準に準じて(1)脳室逆流と(2)脳表くも膜下腔の造影所見をナシ〜強くアリまで4段階0,1,2,3に分類した.【結果】全症例の平均髄液圧とRoはそれぞれ8.9mmHgと4.0 mmHg/ml/minで,60%の症例が当施設のiNPHの基準を満たしていた.4段階分類の症例数は(1)の所見では1日後それぞれ6,7,4,3名,2日後は15,3,1,1名,(2)の所見では1日後0,9,3,8名,2日後は6,9,4,1名であった.CTC所見とRoの間に明らかな有意な関係は認められなかった.【結論】CTCは髄液循環のある一面を示してはいるが現段階ではiNPHのシャント適応の判断基準とするには根拠に乏しく,今後エビデンスの高い研究が出てこなければ不要な検査となっていく可能性もある.


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