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第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場

一般演題 6: 高齢者頭部外傷・教育講演 16:30〜17:25 発表5分、討論2分、教育講演20分

座長: 小林 秀、片山容一

O-27

頭部外傷データバンクにおける高齢者重症頭部外傷の検討−臨床的特徴,画像所見および転帰の分析−
Analysis of aged cases with severe head injury in Japan Neurotrauma Data Bank

小野純一 ONO Junichi
小川武希,坂本哲也,川又達朗,徳富孝志,片山容一,重森 稔,山浦 晶,中村紀夫

日本頭部外傷データバンク検討委員会(日本神経外傷学会,日本交通科学協議会)

【目的】頭部外傷データバンクにおける高齢者重症頭部外傷例の臨床的特徴,画像所見および転帰を分析し,壮年層と比較検討したので報告する.【対象・方法】頭部外傷データバンクに登録され,搬送時のGlasgow Coma Scale (GCS) scoreが8以下の重症例は832例であり,高齢者群 (70歳以上) (A群)は180例 (22%),壮年者群 (50-69歳) (B群) は247例 (30%)である.分析項目は受傷原因,アルコール飲用の有無,患者搬送,GCS score,頭蓋骨骨折の頻度,CT所見(局所性損傷,びまん性損傷),合併全身外傷の頻度および転帰(退院時・受傷3か月後)である.転帰はGlasgow Outcome Scaleで評価した.【結果】1)受傷原因は両群間で差がなかった.2)アルコール飲用はA群で低率であった.3)患者搬送はA群で前医を経由している例が多く,搬送時間も長かった.4)GCS scoreはA群で高値であった. 5)頭蓋骨骨折:円蓋部骨折・頭蓋底骨折ともにA群で少なかった.6)CT上の頭蓋内損傷:A群では局所性損傷が多く,くも膜下出血は少なかった.7)合併全身外傷の頻度はA群で低率であった.8)退院時転帰はA群で不良であり,3か月後はさらに悪化する傾向にあった.【結語】高齢者重症頭部外傷の転帰は壮年層と比較して不良であり,長期的にはさらに悪化していた.転帰悪化の原因は脳の可塑性のほかに,患者搬送遅延が示唆された.


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