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第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場

一般演題 1: 高齢者の脳腫瘍・その他 9:05〜9:55 発表5分、討論2分

座長: 田淵和雄

O-6

高齢者脳動静脈奇形の治療戦略
Treatment strategy for arteriovenous malformations in elderly patients

詠田眞治 NAGATA Shinji
松角宏一郎、名取良弘*、佐々木富男、福井仁士**

九州大学大学院 医学研究院 脳神経外科、麻生飯塚病院 脳神経外科*、佐世保共済病院 脳神経外科**

【目的】過去23年間に経験した60歳以上の高齢者脳動静脈奇形(AVM)33例を分析し,その治療戦略を検討する.【方法】1981年から2004年間に経験したAVM293例中60歳以上は33例であった.これを64歳までの18例と65歳以上の15例の2群に分けて検討した.治療方針は出血例に対しては外科治療,非出血例は保存的治療を原則とした.【結果】60〜64歳の相対的出血率は72.2%,65歳以上では20.0%であった(χ2 検定;p=0.0083).外科治療は60〜64歳18例中12例,65歳以上では15例中6例に行った.出血例で保存的治療を行った2例はその後再出血なく良好な転帰をとった.非出血例で外科治療を行ったのは4例で,3例は良好な転帰であったが,1例死亡した.60歳以上でmRS3以上の転帰不良例は死亡2例を含めて9例.うち手術例は7例.転帰不良の原因は手術例7例中4例が発症時の出血による合併症, 2例は術後片麻痺,1例は術後出血による.非手術例2例の原因は非出血例の経過観察中の出血であった.両群の重症化率に有意差はみられなかったが,mRS5以上の4例は全て65歳以上で,うち3例は出血が原因であった.【結論】64歳以前では未破裂AVMの積極的な治療適応がある.65歳以降の未破裂AVMの適応は慎重であるべきだが,小さなナイダス,動脈瘤合併例など出血リスクの高い症例では外科治療の検討を要すると思われる.


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