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第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場(B会場: 2階 202, 203号室)

ポスター3: 症例報告 13:00〜13:40 発表3分、討論2分

座長: 吉井與志彦

P-10

高齢者頸部頸動脈病変の転帰に関与する因子
Prognostic factors associated with poor neurologic outcome in elderly patients with cervical carotid lesions

樋口佳則 HIGUCHI Yoshinori
小野純一、松田信二*、小林英一**、三澤園子*、芹澤 徹、永野 修**、小瀧 勝

千葉県循環器病センター 脳神経外科、*千葉県循環器病センター 神経内科、**千葉大学大学院医学研究院神経統御学

【目的】高齢者(70歳以上)の頸部頸動脈狭窄性および閉塞性病変の治療後の転帰に関与する因子を検討した。【対象と方法】頸動脈病変(狭窄例と閉塞例)に対し治療が行われた103例(男性90、女性13例)を対象とし、70歳以上を高齢者群(43例, 41.7%)とした。治療方針は、全例抗血小板療法を行い、NASCET, JET studyの手術適応基準に準拠し外科手術の適応を決定した。予後に関わる因子として、年齢、狭窄、発症様式、治療法などを挙げ、退院時および最終観察時のmodified Rankin scale (mRS)、再発を評価した。統計学的検討には、χ2 検定、Willcoxon検定を行い、P<0.05を有意とした。平均経過観察期間は2.4年。【結果】発症様式は、完成・進行性卒中の占める割合が高齢者群76.7%、非高齢者群75.0%と同様であった。狭窄度は、高齢者群で70-99%狭窄39.5%、閉塞例27.9%、非高齢者群で70-99%狭窄35.0%、閉塞例48.3%と、非高齢者群で閉塞例が多い傾向を認めた。高齢者群30.2%、非高齢者群48.3%に外科的治療が行われた。高齢者で8例 18.6%、非高齢者で6例10.0%に再発を認めたが、有意差を認めなかった。高齢者群では、退院時より最終観察時のmRSが増悪した例が有意に多く、再発が有意な因子であった。高齢者の再発例を検討すると8例中5例は、狭窄度が70%未満で内科的治療を受けていたものであった。非高齢者では、6例中1例と対照的であった。【結論】高齢者頸部頸動脈病変の治療後の転帰は、非高齢者に比較し不良であり、再発が治療後のmorbidityを増加させる因子であった。特に、高齢者群では70%未満の狭窄性病変の内科的治療で、再発によりmorbidityの増加を来すことがあり、注意が必要であると考えられた。


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