富山医科薬科大学 > 脳神経外科学 > 第18回老年脳外・第14回CNTT > 第18回老年脳外プログラム

第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場

ミニシンポジウム 2: 高齢者破裂脳動脈瘤における問題点と工夫 15:05〜15:55 発表5分、討論2分、総合討論20分

座長: 溝井和夫、大西丘倫

S-7

高齢者における各種モニタリングを併用した脳動脈瘤手術
Direct surgery of cerebral aneurysms using multi-modality monitoring in elderly patients

鈴木恭一 SUZUKI Kyouichi
堀内一臣、生沼雅博、遠藤雄司、佐久間潤、松本正人、佐々木達也、児玉南海雄

福島県立医科大学 脳神経外科

高齢者の脳動脈瘤手術においては、動脈硬化が強い親動脈や分枝の血流を保つために動脈瘤体部のみのクリッピングにとどめざるを得ない場合もある。そうしたクリッピングを行っても、外観の観察のみで親動脈の血流を温存し得たと確認する事は困難である。今回、クリッピング後の血流確認のためにドップラー血流計を用い、脳血流不全の有無を確認するために各種誘発電位モニタリングを施行している高齢者脳動脈瘤症例の手術を供覧し、ドップラー血流計使用上の注意点および誘発電位モニタリングの有用性について報告する。
症例:73才、女性。右中大脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血急性期症例である。動脈瘤壁およびM2の壁は硬く黄色調を呈していた。クリッピング後にM2に狭窄の無いことを肉眼的に確認し、ドップラー血流計でも血流音に変化がないことを確認した。しかしMEPはクリッピングの4分後より低下し始め7分後に消失し、8分後よりSEP振幅が低下した。クリップ除去後SEPとMEPの回復を待って、若干dome側でクリッピングを行った。ドップラー血流計およびMEPとSEPに変化のないことを確認した。術後のCTで梗塞巣は出現せず神経脱落症状も認めなかった。
ドップラー血流計は血流の有無は確認できるが、その血流量が梗塞を来たさないだけの十分量であるかの判断は出来ないことに注意を要する。動脈硬化の強い動脈瘤の手術には誘発電位モニタリングの併用が必要と考えられた。


富山医科薬科大学 > 脳神経外科学 > 第18回老年脳外・第14回CNTT > 第18回老年脳外プログラム