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第18回日本老年脳神経外科学会 抄録


第1日目 4月7日(木)富山国際会議場

ミニシンポジウム 2: 高齢者破裂脳動脈瘤における問題点と工夫 15:05〜15:55 発表5分、討論2分、総合討論20分

座長: 溝井和夫、大西丘倫

S-9

超高齢者のクモ膜下出血に対する手術治療 -その意義を求めて-
The treatment for surbarachnoid hemorrhage of ultra-senior patients -The significance of the operative treatment-

梅澤邦彦 UMEZAWA Kunihiko
高橋俊栄、岡田 仁、仁村太郎、清水敬樹、金子宇一

さいたま赤十字病院 脳神経外科

(背景) 高齢社会になり、70代でのクモ膜下出血(SAH)症例に対する手術は珍しくなくなったが、80代以上の症例は少なく、何よりもその手術適応に悩むことが多い。超高齢者SAHに対する手術意義を検討する。(方法)1995年1月から2004年12月までに当科に入院した90例の80歳以上のSAHを対象とし、その経過を元に、治療のあり方を検討した。(結果) 発症72時間以内にclipping術が行われた14例(全例術前のH&K G 2or3): Good recovery 7例(50%), MD 3(21%), SD 2(14%), V 0, Death 2(14%)、予後不良の原因はsurgical failure 1, spasm1, AMI 1, renal failure 1。2週間以上経過した慢性期にclipping術が行われた7例: G 5例(71%)、MD 2(29%)、SD, V, D 共に0。手術施行しなかった例69例: G 2(2.9%), MD 2(2.9%), SD 0, V 0, D 65(94.2%)。(考察)手術適応は、家族の意向、患者の病前のADLの自立度、SAHの重症度を勘案し決定され、若年者のSAHの場合と異なり、家族が手術を拒否する例が多かった。手術成績はこれまで発表されてきたように、慢性期手術が急性期手術と比して良好であった。しかし、待機の方針のもと、慢性期手術まで到達できたのは7/76=9.2%にすぎない。超高齢者のSAH全体の手術成績を上げるためには、慢性期手術までの維持療法に改善の余地があると考えられる。しかし同時に、安らかに逝かせる("soft landing")という概念も重要と思われる。最近経験した、当初家族が手術を拒否し、1ヶ月後clipping+VP shuntを行った90歳の前交通動脈瘤症例の経過を代表例として供覧する。


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