富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

口演-3 (O-3): 治療困難症例 11:30〜12:20 発表5分、討論3分

座長:永田 泉(長崎大学 脳神経外科)
中原一郎(社会保険小倉記念病院 脳神経外科)

O-3-4

進行性脳卒中で発症した浮遊血栓を伴う内頚動脈狭窄症の3例

Internal carotid artery stenosis with floating thrombus presented with progressing stroke
- Report of three cases -

徳島大学脳神経外科

Department of Neurosurgery, The Univ. of Tokushima

里見 淳一郎、鈴江淳彦、松原俊二、宇野昌明、佐藤浩一、永廣信治

Junichiro Satomi, et al.

【目的】今回我々は、進行性脳卒中で発症した浮遊血栓を伴う内頚動脈狭窄症の3例を経験したので報告する。【症例】症例1:57歳、男性。突然の左不全片麻痺で発症、3時間後のMRIで右大脳にDWI/PWI mismatch、DSAで右内頚動脈起始部閉塞、右中大脳動脈 (M1)閉塞を認めたため、2ヵ所の閉塞部位に対し局所線溶療法を施行した。術後、浮遊血栓を伴う内頚動脈起始部高度狭窄を認めたが、症状に進行がないためCEA待機手術の予定としていた。しかし発症2日後、浮遊血栓の遠位への移動による内頚動脈終末部閉塞を来し、左完全片麻痺を後遺した。症例2:70歳、男性。運動性失語、進行する右片麻痺で発症、左大脳半球にMRIで散在性新鮮梗塞巣、SPECTで血流低下、DSAで浮遊血栓を伴う左内頚動脈起始部高度狭窄があり、同日緊急で頚動脈内膜剥離術 (CEA)を行った。術後症状は軽快、独歩退院した。症例3:74歳、男性。意識レベル、左片麻痺の進行性増悪で発症、右大脳半球にMRIで散在性梗塞、SPECTで血流低下、DSAで浮遊血栓を伴う右内頚動脈起始部高度狭窄を認めた。心不全のためCEAは施行不能、発症5日目に近位遮断を行いながら頚動脈ステント留置術 (CAS)を行った。術後症状の悪化は認めていない。【結論】浮遊血栓を伴う内頚動脈狭窄症の治療方針は一定の見解が得られていないが、症状が変動する症例では、遠位塞栓の予防、潅流低下の改善を目指し、可及的速やかなCEA もしくは近位遮断によるCASが望ましいと考える。


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