富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

口演-3 (O-3): 治療困難症例 11:30〜12:20 発表5分、討論3分

座長:永田 泉(長崎大学 脳神経外科)
中原一郎(社会保険小倉記念病院 脳神経外科)

O-3-6

Floating thrombusを有する内頸動脈狭窄症に対してCEAを安全に施行する工夫

Tips about safe CEA for carotid stenosis with floating thrombus

国立循環器病センター 脳血管外科

飯原弘二、村尾健一、中嶌教夫、高田英和、高橋淳、林克彦、森本将史、森久恵、野中裕康、綾部純一、三井宣幸、菊池隆幸、宮本享

Koji Iihara, Kenichi Murao, Norio Nakajima, Hidekazu Takada, Jun Takahashi, Katsuhiko Hayashi, Yuko Nonaka, Junichi Ayabe, Nobuyuki Mitsui, Takayuki Kikuchi, Susumu Miyamoto

TIAを頻発し、floating thrombusを有するハイリスク症例に対してCEAを安全に施行するためのポイントについてビデオにて提示する。
症例は66才女性、frequent TIAにて入院。頸部エコーにて、内頸動脈、外頸動脈起始部にfloating thrombusを伴う高度石灰化病変を認め、経頭蓋ドップラーにても、MCAにHITSを多数検出した。前医にて処方されたバイアスピリンに加えて、パナルジン、ヘパリンを追加して、floating thrombusの縮小、MCAのHITSの減少を見た上で、1週間後にCEAを施行した。術中はfloating thrombusの存在する頸動脈の分岐部の剥離を最後に、内頸動脈の血流を逆流させて行う方針とした。まず近位総頸動脈を露出して、ついで、分岐部から離れた部位で、外頸動脈を確保し、上甲状腺動脈にcannulationして、内頸動脈から逆流させるsinkとした。総頸動脈をクランプすると、Doppler上、内頸動脈から外頸動脈、上甲状腺動脈へと向かう血流パターンとなり、さらに外頸動脈をクランプすると、内頸動脈から上甲状腺動脈に逆流するようになった。ここで、内頸動脈と分岐部を全周性に剥離可能となり、安全にCEAが施行された。Floating thrombusを有する内頸動脈狭窄症に対してCEAを施行する場合、狭窄部の剥離時に血栓のdistal migrationの危険を伴うため、内頸動脈の血流をreverse flowとした上で剥離することで塞栓症の危険を減少させることが可能である。


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