富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

ポスター-1 (P-1) 13:55〜14:25 発表3分、討論2分

座長: 岡田 靖(国立病院九州医療センター 脳血管内科)

P-1-11

骨棘による椎骨動脈圧迫から血栓性脳底動脈閉塞を来たした1症例

Artery to artery embolization of BA occlusion due to VA stenosis cause by spur -Case report-

杏林大学医学部 脳神経外科

Kyorin University School of medicine, Department of Neurosurgery

小西善史、藤塚光幸、熊切 敦、塩川芳昭

Konishi Yoshifumi, Fujituka Mituyuki, Kumakiri atsushi, Shiokawa Yoshiaki

【目的】今回我々は、C5レベルの骨棘による椎骨動脈の圧迫が血栓性の脳底動脈閉塞を来たした稀な症例を経験したので報告する。
【症例】患者は心疾患、高血圧、糖尿病、高脂血症などの既往を持たない51歳の男性である。突然の意識障害を来たし当院救命救急センターに緊急搬入された。来院時意識レベルはJCS3―200、両側のpin-point pupilを認めた。頭部CTにて脳底動脈のhigh density signを認めた。また緊急血管撮影にて椎骨動脈の高度狭窄と脳底動脈閉塞を認めた。脳底動脈閉塞に対して発症3時間でウロキナーゼを用いた緊急血栓溶解療法が施行された。また、入院経過中に撮影した頚椎CTにて、椎骨動脈狭窄部に一致したC5レベルの骨棘の形成が認められた。
【結果】入院時行った緊急血栓溶解術により脳底動脈の再開通を認めた。術後CTにて若干の脳幹梗塞を認めたが、徐々に意識障害は改善し清明となった。麻痺も改善し、軽度の顔面神経麻痺を認めるのみで独歩可能となった。入院後の動脈閉塞の再発は認めなかった。
【結論】この症例は、C5レベルの骨棘により椎骨動脈の圧迫により血栓が形成されartery to arteryの脳底動脈閉塞を来たしたと考えられた。現在まで、椎骨動脈の骨棘による圧迫から、脳底動脈閉塞を来たした症例はほとんど報告されていない。今回我々は、この稀な症例に対し若干の文献的考察を加え報告する。


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