富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

ポスター-1 (P-1) 13:30〜13:55 発表3分、討論2分

座長: 村尾健一(国立循環器病センター 脳神経外科)

P-1-5

Tandem lesionのある3血管4病変のstenting例

Stenting for 4 lesions in 3 main trunks with tandem lesion - a case report

滋賀医科大学 脳神経外科

大橋経昭、森田恭生、嶋 綾子、田中敏樹、中洲 敏、松田昌之

Michiaki Ohashi

 主幹動脈の多発性の病変に対する血行再建術は、治療困難な例の一つに挙げられる。今回、右内頸動脈の70%狭窄、左内頸動脈のtandem lesionで90%と70%の狭窄、右椎骨動脈起始部の70%狭窄、左椎骨動脈閉塞する一例を経験したのでその治療経験を報告する。症例は69歳の男性。左硝子体出血による視力障害(指数弁)で眼科から頚動脈病変を疑われて当科に紹介された。糖尿病と喫煙歴がある。脳虚血症状の自覚や神経症状は認めなかった。脳血管造影で上記多発病変が確認された。術前の脳血流検査(Xe-CT)において、大脳、小脳とも左右差はないが顕著な脳血流量及びDiamoxの反応性の低下が確認された。慢性脳虚血と合併する眼虚血による眼症状改善のためにstentを用いた血行再建術を計画した。閉塞血管を除いた3血管4病変に対して、最初に全身麻酔下に健側となる右内頸動脈錐体骨近位側の70%狭窄にS670, 右椎骨動脈起始部70%狭窄にPalmazを用いてstentingを行った。術後、右大脳と小脳に脳血流量の増加とDiamoxの反応性の顕著な改善が得られた。2週間後に全身麻酔下に左内頸動脈のtandem lesion に対してdistal protectionを行い分岐直後の90%狭窄に対してSMATeR、錐体骨近位部にS670を用いstentingを行った。術後の脳血流検査において左右の大脳小脳共に脳血流量の増加とDiamox の反応性の増加が確認された。その後、脳虚血症状なく経過し、眼科の硝子体手術により視力が指数弁から0.4まで回復、隅角や虹彩の新生血管の減少を観察した。


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