富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

ポスター-1 (P-1) 13:55〜14:25 発表3分、討論2分

座長: 岡田 靖(国立病院九州医療センター 脳血管内科)

P-1-9

透析用シャント増設後、Subclavian steal phenomenonを呈した1例

Dialysis-associated subclavian steal phenomenon complicating upper extremity arteriovenous fistulas.

奈良県立医科大学 脳神経外科、第一内科*

Department of Neurosurgery and 1st Department of Internal Medicine*

藤本憲太、川口正一郎、榊寿右、椎木英夫*

Kenta Fujimoto, Shoichiro Kawaguchi, Toshisuke Sakaki, Hideo Shiiki

鎖骨下動脈盗血現象は鎖骨下動脈起始部狭窄・閉塞に伴い、対側から椎骨動脈を介して血流を受ける現象で、患側上肢運動などにより血流の需要が増すとstealされる血流が増加することが知られているが、透析のためのシャントは、恒久的に需要が増加している状態である。今回、透析導入に伴い左上肢にシャント増設後に鎖骨下動脈盗血現象を認めた症例を報告する。症例は、47歳、男性。B型肝炎関連腎炎による腎不全で、2001年、透析用に左上肢にシャントを増設した。頚部雑音を聴取されたため、超音波検査を施行し、左の椎骨動脈の逆流を認めたので、血管撮影を施行した。左鎖骨下動脈は石灰化を伴い、軽度の狭窄を認めた。しかし、順行性に左椎骨動脈は描出されず、右椎骨動脈撮影を施行すると左椎骨動脈を逆流し、上腕へと血流が行く様が描出された。扁平状の狭窄を疑い、3D-CT angiographyを行ったが、否定的であった。IVUSを行い、狭窄の評価をし、狭窄があればステントを用いたangioplastyを行うことを提案したが、患者が拒否し、現在外来フォロー中である。透析のためにシャントを増設した患者において鎖骨下動脈盗血現象が起こるという報告は見られず、鎖骨下動脈の軽度狭窄と相乗効果で起こった現象と考察するが、透析患者は大血管に石灰化を起す頻度が高く、潜在的には本例のような患者は多数いる可能性が示唆される。


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