富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

シンポジウム-1 (S-1): 過灌流症候群 10:00〜11:30 発表8分、討論2分、総合討論30分

座長:山田和雄(名古屋市立大学 脳神経外科)
鈴木倫保(山口大学 脳神経外科)

S-1-3

頚動脈血管拡張術後のhyperperfusion syndromeの予測と脳循環代謝について

Hyperperfusion syndrome after carotid angioplasty and stent placement

横浜市立脳血管医療センター脳卒中診療部 脳神経外科* 神経内科** 愛媛大学脳神経外科***

Yokohama Stroke and Brain Center、Ehime University School of Medicine

植田敏浩 正田大介 伊藤敦史 小島昭雄* 松岡慈子 栗田竜子 田畑 修 小濱るり子 畑 隆志 山本正博** 福本真也***

Toshihiro Ueda, Daisuke Shoda, Atsushi Itoh, Akio Kojima, Shizuko Matsuoka, Ryuko Kurita, Osamu Tabata, Ruriko Obama, Takashi Hata, Masahiro Yamamoto, Shinya Fukumoto

【目的】頚動脈血管拡張術後のhyperperfusion syndrome(HPS)について、PET・SPECTを用いた脳循環代謝動態と頚部エコー及びTCD所見による危険群の予測と、周術期管理について報告する。
【方法】69病変の症候性頚動脈狭窄に対して血管拡張術(PTA23、stent46)を施行した。術前後にSPECT (rest & diamox)またはPETと、頚部エコー及びTCDを行い、最近では術翌日にSPECTまたはPETを施行し、HPSの危険因子について検討した。対側閉塞を伴う90%以上の高度狭窄例で、高度に脳循環予備能が低下している症例に対しては全身麻酔にて治療を行った。
【成績】4例にHPSが生じ、1例は頭痛、嘔気のみであった。全身麻酔下に治療を行った5例では、術後も静脈麻酔を継続してTCDモニタリング下に厳重な血圧管理を行ったが、3例にHPSが出現し、そのうち2例に小出血を認めたが神経症状の悪化は一過性であった。HPS の危険因子として、90%以上の高度狭窄、対側閉塞、diamox負荷にてsteal現象、TCDにて術後2倍以上のMCA流速の亢進があげられた。PETでは、術前CBF及びCMRO2が高度に低下しOEFの著明な亢進が認められる症例では、HPS危険群と考えられた。
【結論】対側閉塞を伴う高度な脳循環予備能の低下は、HPSの危険因子として特に重要である。脳血流検査とTCDはHPSの術後管理に有用であり、高危険群ではこれらのモニタリング下の鎮静及び血圧管理が、重篤な脳出血の予防に有用であった。


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