富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

シンポジウム-2 (S-2): 心合併症 14:45〜16:00 発表8分、討論2分、総合討論20分

座長:小林祥泰(島根医科大学 第三内科)
小川 彰(岩手医科大学 脳神経外科)

S-2-4

頸動脈高度狭窄あるいは閉塞を合併する冠動脈バイパス術(CABG)適応例への対応

Treatment strategy for stroke reduction in patients with carotid stenosis undergoing coronary artery bypass grafting

帯広厚生病院 脳神経外科、心臓血管外科*

Department of Neurosurgery, Department of Cardiovascular Surgery*, Obihiro Kosei General Hospital

大滝 雅文、千葉 昌彦、対馬 州一、穂刈 正昭、山内 英智*

OHTAKI MASAFUMI, CHIBA MASAHIKO, STUSHIMA SYUICHI, HOKARI MASAAKI, YAMAUCHI HIDETOMO*

【目的】冠動脈狭窄に対するoff-pump CABG (OPCAB)の適応拡大や頸動脈狭窄に対するstentingの普及により、冠動脈病変と頸動脈病変合併例に対する治療方針は大きく変わりつつある。CABGの適応となる冠動脈病変に頸動脈高度狭窄や閉塞を合併する症例の当施設での治療方針と成績について検討した。【方法】2000年1月以降、CABGを施行した107例のうち、周術期に血行力学的脳虚血をきたすリスクの高い内頸動脈の70%以上狭窄あるいは閉塞を合併したものが13例(12%)であった。その治療方針は術前の心機能および脳循環動態(定量SPECT)の評価に基づき、左室機能の高度低下、冠動脈左主幹部の高度狭窄および脳血管予備能の喪失を認める頸部頸動脈狭窄に対してはCEAとCABGの同時手術を行う。それ以外は、OPCABを内頸動脈の血行再建に先行させることとした。【結果】CEAとCABGの同時手術は1例で、他の内頸動脈高度狭窄8例と閉塞4例ではOPCABを先行し、その後7例にCEAあるいはbypassを施行した。CABG施行例における脳虚血合併症は、OPCABを先行した頸動脈高度狭窄1例(0.9%)のみで、OPCABの術後6日目にA to A embolismきたし転帰SDとなった。【結論】術前の心機能および脳血流評価に基づきOPCABを採用することで周術期の血行力学的脳虚血合併症は回避しうるが、内頸動脈狭窄合併例ではthrombo-embolismのリスクが残る。


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