富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

シンポジウム-2 (S-2): 心合併症 14:45〜16:00 発表8分、討論2分、総合討論20分

座長:小林祥泰(島根医科大学 第三内科)
小川 彰(岩手医科大学 脳神経外科)

S-2-5

脳酸素需給バランスからみたOff-pump冠動脈バイパス手術後の高次脳機能低下因子の分析

Analysis of factors of cerebral oxygen balance for cognitive decline after off-pump coronary artery bypass surgery.

国立循環器病センター麻酔科

Department of Anesthesiology, National Cardiovascular Center.

吉谷健司、畔政和

Kenji Yoshitani, Masakazu Kuro

心臓手術後の高次脳機能低下は、脳神経学的合併症の中でも発生率が高く問題視されている。近年、体外循環を用いないOff-pump冠動脈バイパス手術(OPCAB)が導入され高次脳機能低下の発生率も減少することが期待されたが、体外循環を用いた冠動脈バイパス手術とOPCABとでは有意差は見出されていない。OPCABは拍動下の手術操作により心拍出量が低下し脳灌流圧低下を生じやすいが、そこに頚動脈病変を合併すると、脳灌流圧低下を助長し高次脳機能障害を引き起こす可能性がある。今回、術中の脳酸素需給バランス、循環動態、頚動脈狭窄の有無などがOPCABの術後高次脳機能低下の因子となるかを検討した。方法:対象は予定のOPCAB患者33人。内頚静脈球部血、橈骨動脈血を吻合前、冠動脈吻合時、吻合後に採血し脳酸素需給バランスを測定した。高次脳機能評価として術前と術後14日目にMini-Mental State Examination( MMSE )を行なった。術前値の1SD以上低下した群を低下群とし、その因子をロジスティック回帰により解析した。結果:手術前後のMMSEはそれぞれ26.0±3.9、24.8±4.4と術後に有意に低下し(P<0.05)、高次脳機能低下は6人(21%)にみられた。術後高次脳機能低下群と正常群との比較では、術中の内頚静脈球部血酸素飽和度(Sjo2)最低値、頚動脈狭窄、心駆出率(EF)は有意な因子ではなかった。結語:術中のSjo2最低値、頸動脈狭窄、EFは、OPCAB術後の高次脳機能低下の有意な因子ではなかった。


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