富山医科薬科大学 - 脳神経外科学 - 第3回日本頚部脳血管治療学会プログラム

JASTNEC

第3回日本頚部脳血管治療学会 抄録


第1日目 3月5日(金)

シンポジウム-3 (S-3):内科治療と治療適応 16:50〜17:50 発表8分、討論2分、総合討論20分

座長:峰松一夫(国立循環器病センター 内科脳血管部門)
宮本 亨(国立循環器病センター 脳血管外科)

S-3-3

頸動脈病変のbest medical treatment

東京都済生会中央病院神経内科

高木 誠

 頸動脈病変の病態は大きく,アテローム硬化の進展とプラークの不安定化,血小板およびフィブリン血栓の形成と動脈原性塞栓,脳灌流圧の低下の3つに分けられる.このうち内科治療の適応となるのは前2者である.
 抗アテローム療法としては,まず危険因子の厳格な管理が重要である.このうち降圧薬のACE阻害薬またはARBと,高脂血症治療薬であるstatinは,本来の降圧作用,脂質低下作用の他に,多面的な抗アテローム硬化,プラーク不安定化抑制作用を持つ可能性が注目されている.
 抗血小板薬が脳梗塞の二次予防に有効であることは,ほぼ確立されている.第一選択はaspirinの少量療法(75〜150 mg)である.しかし,aspirinが脳梗塞の一次予防に有効であるというエビデンスはなく,無症候性頸動脈病変に対する有効性も証明されていない.頸動脈の高度狭窄から閉塞に至る過程で生成されるフィブリン血栓は,しばしば重篤な動脈原性塞栓を引き起こす.しかし,これまでのところ頸動脈病変の予防または治療に抗凝固療法が有効であるとの確たるエビデンスはない.
 以上より頸動脈病変による脳梗塞発症予防のためのbest medical treatmentとして,ACE阻害薬またはARB,statin,aspirinの組合せ療法の可能性が示唆される.今後この療法の有効性を検証することが必要である.


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