第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール)17:30〜18:30

実物展示: 新しい手術機器の開発

座長: 名取良弘

1A-EX-3

レーザー誘発液体ジェットを用いた頭蓋底腫瘍摘出と内視鏡手術への応用
Pulsed laser-induced liquid jet for skull base tumor removal, and application to endoscopic surgery

小川欣一 (OGAWA Yoshikazu)、中川敦寛 1、高山和喜2、冨永悌二 1

広南病院 脳神経外科、東北大学大学院 神経外科学分野 1、東北大学 先進医工学連携機構 ナノメディスン分野 2

【はじめに】経蝶形骨洞手術はトルコ鞍部に限局する比較的軟らかい腫瘍を対象として発達してきたが、近年の頭蓋底形成技術の発展によりその適応を飛躍的に拡大させつつある。しかしながら狭小で深部の術野であるがために腫瘍血管や、腫瘍切断面よりの出血の制御は困難であり、内減圧を先行させ可及的な摘出となる場合が殆どである。本手術において血管や静脈洞壁等の生体組織の温存と腫瘍摘出の両立が希求されるが、既存のデバイスで形状やサイズ、使い易さや安全性を高次元で融合させるには課題が少なくない。我々は2008年7月より臨床治験としてレーザー誘発液体ジェットを用いた腫瘍摘出を開始し、内視鏡術野での利便性を念頭にデバイスの改変をしているところであり、現状につき報告する。【対象と方法】院内倫理委員会の承認を経て2009年7月までに2例の脊索腫、11例の下垂体腺腫に対して使用した。深部手術に対応させるために、バイヨネット型で有効長150から184 mmのattachmentを作成。また内視鏡の側視機能を有効に活用するために、attachment先端を直線的、湾曲している物の2種類を使用した。【結果】下垂体腺腫では全例で腫瘍破砕が可能であったが、削開部の腫瘍血管は温存された。このため破砕後に腫瘍内を走行する動脈の凝固、切断が可能であり出血量は減少した。鞍上部のくも膜下面に癒着している腫瘍の破砕に用いると、剥離操作をせず腫瘍の破砕、吸引が可能であった。海綿静脈洞内側壁に対する穿通、損傷も認められなかった。一方線維化の高度な脊索腫の1例では破砕が困難であった。熱損傷を含めた合併症は一例も認められなかった。【結論】レーザー誘発液体ジェットは、安全で血管温存性に優れた腫瘍破砕装置であり、出血量の減少に寄与できる。出力の調整やアタッチメントの改良を図り、内視鏡手術での利便性の向上を図って行く予定である。

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