第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール) 15:00〜16:00

パネルディスカッション 2: 経鼻的内視鏡手術: 新しい手術アプローチとトレーニング

座長: 木内博之、齋藤 清

1A-PD2-1

鞍上部腫瘍に対する内視鏡下拡大経蝶形骨洞手術
Endoscopic extended trans-sphenoidal surgery for suprasellar tumor

迫口哲彦 (SAKOGUCHI Tetsuhiko)、木下康之、富永 篤、杉山一彦、栗栖 薫、有田和徳 1

広島大学大学院 医歯薬学総合研究科 脳神経外科、鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科 1

【緒言】鞍上部に首座を有する病変の摘出は一般的に開頭術で行われるが、経蝶形骨洞手術(TSS)が良い適応となる場合がある。鞍上部硬膜・くも膜を切開し髄液腔に到達するいわゆる拡大経蝶形骨洞手術(extended TSS, ETSS)により行うが、この際に深部の操作では内視鏡が極めて有用である。今回我々は内視鏡を用いたETSSについて検討した。
【症例・方法】広島大学脳神経外科において2003 年より2009年までに行ったETSS症例は12例で、これは同時期における鞍上部限局病変手術例49例の22%に相当した。疾患は頭蓋咽頭腫6例、ラトケ嚢胞4例、下垂体腺腫1例、鞍結節髄膜腫1例。術式は11例が口唇下到達法、1例が経鼻孔到達法にて顕微鏡下にアプローチし、摘出は顕微鏡と内視鏡を併用し、深部の腫瘍摘出は主に内視鏡で行った。
【結果】頭蓋咽頭腫全例で下垂体茎を温存しつつ亜全摘以上の摘出が可能であった。鞍結節部髄膜腫(Simpson grade1)、下垂体腺腫では全摘出した。ラトケ嚢胞の全例で嚢胞の開放と壁の部分切除が可能であった。術後ホルモン補充療法が必要となったのは頭蓋咽頭腫6例中2例であった。他の症例では術後に新たな補充療法が必要となった症例はなかった。術前に視機能障害を有した全例で術後に視機能の改善が認められた。
【結論】ETSSは、内視鏡を使用することで視交叉背面を直視下に操作可能となり、鞍上部病変に対して開頭手術より安全かつ低侵襲な手術である。鞍上部第三脳室前半部腫瘍で特にpre-fixed chiasmaの症例、鞍結節部の手術ワーキングスペースが広い症例に対して有用である。

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