第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール) 15:00〜16:00

パネルディスカッション 2: 経鼻的内視鏡手術: 新しい手術アプローチとトレーニング

座長: 木内博之、齋藤 清

1A-PD2-4

斜台部病変に対する神経内視鏡下経鼻経蝶形骨手術の手技と機器の工夫
Neuroendoscopic transnasal transsphenoidal surgery for clival lesions

辛 正廣 (SHIN Masahiro)、金 太一、斉藤延人

東京大学医学部附属病院 脳神経外科

【目的】斜台部病変は手術アプローチが困難で難治性のものが多い。斜台部病変に対し神経内視鏡下経鼻経蝶形骨洞手術(ETNS)を行っており、その手術手技と機器の工夫を発表する。【対象】ETNTSにてアプローチした斜台部病変6例7手術 (脊索腫4例、骨巨細胞腫、骨髄炎、各1例) を対象。全例で斜台骨の破壊が確認され、4例は内頚動脈を巻き込み、2例では錐体骨へ進展、2例は環椎前方まで腫瘍が及んでいた。【手術方法・結果】我々は両鼻腔から粘膜下にアプローチを行う。Bipolarは厚さが3mmと薄く深部でも凝固に必要な微細な開閉が可能で、先端が30度上方、右、左に曲がっているものを開発。又、洗浄吸引管は先端が真直、30度、90度にカーブしており、視野に合わせて様々な方向に挿入でき、内視鏡レンズの先端が汚れた際にも素早く洗浄できる。術前には全例で脳血管撮影、MRI、CTの画像を基に3D virtual reality画像を作成し、術式について検討を行う。手術の際には内視鏡保持機を使用し、術者は患者の頬部で両手を接地し、両鼻腔から器具を挿入し、両手で十分安定した手術操作が可能となる。病変部の進展範囲に応じて、篩骨洞や蝶形骨洞壁を全周性に骨削除を行い、外側では蝶形骨の翼突管や翼状突起まで、又、下方では斜台を頚椎移行部まで十分な範囲での骨のdrillingを行う。先端角30度や70度の内視鏡を駆使し、視神経管や下垂体、内頚動脈等の重要な解剖構造の位置を直視下に確認しながら腫瘍摘出を行うことが可能である。こうして、上は鞍背部から下は環椎レベルまで、側方では海綿静脈洞外側から中頭蓋窩内側、錐体骨尖部に至るまで、安全に手術操作を行うことが可能であった。【結語】我々の手術法によるETNSでは、斜台部から下方や側方に進展した腫瘍を直視下で摘出することが可能であり、治療成績の向上に貢献する。今後、斜台部病変に対するスタンダードな手術法となりえると思われる。

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