第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール) 15:00〜16:00

パネルディスカッション 2: 経鼻的内視鏡手術: 新しい手術アプローチとトレーニング

座長: 木内博之、齋藤 清

1A-PD2-5

副咽頭間隙への endoscopic transnasal transpterygoid approach: 解剖学的検討
Endoscopic transnasal transpterygoid approach to the parapharyngeal space: An anatomical study

谷口理章 (TANIGUCHI Masaaki)、甲村英二

神戸大学大学院 医学系研究科 脳神経外科

目的:内視鏡下経蝶形骨洞手術の進歩は、その適応を下垂体病変のみならず、前頭蓋底から斜台部病変、さらには翼口蓋窩から側頭下窩の病変にまで拡大しつつある。副咽頭間隙はさらにその深部に位置し、頚静脈孔や内頚動脈などの重要構造物を含んでいる。本間隙へは従来のtranscervicalやtransfacial approachでも到達困難である一方、鼻咽頭に近接していることから、経鼻的アプローチも一つの選択肢になるものと思われる。本発表では内視鏡下に鼻腔から翼状突起を経由するアプローチについて、屍体頭部を用いた検討の結果を報告する。方法:ホルマリン固定された4体の屍体頭部を用いた。右鼻口から内視鏡を挿入し、骨性鼻中隔を削除後、対側鼻腔に進入した。ターゲットサイドの中鼻甲介全体および下鼻甲介の後半部を切除後、上顎洞に進入し、後壁の骨削除を行い翼口蓋窩に到達した。耳管周囲の翼状突起を削除したのち、耳管を切除して口蓋帆張筋および口蓋帆挙筋を露出し、この間から副咽頭間隙に進入した。さらに口蓋帆挙筋を切除し、脂肪織を除去しつつ深部に進み、頭蓋底入口部近傍の内頚動脈を露出した。これを外側に牽引すると、その深部に頚静脈および下位脳神経が露出された。結果および考察:屍体頭部による翼状突起を経由した内視鏡下アプローチの検討は、従来の方法と比較して、顔面・頬部の軟部組織への侵襲を軽減しつつ副咽頭間隙へアプローチしうる可能性を示した。一方で術野は深く、血管損傷などの術中トラブルに対処しうる十分な術野を得るためには、周辺の筋群および翼状突起のある程度の切除を要した。腫瘍存在下ではスペースが存在し術野を確保しやすいとは考えるが、臨床応用の初期段階での適応としてはpiecemealに摘出可能な、出血の乏しい病変が考えられる。

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