第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

前の演題 次の演題

第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール)9:30〜11:00

シンポジウム 1: 内視鏡治療の現状と今後の展望

座長: 寺本 明、新井 一

1A-S1-3

中頭蓋窩クモ膜のう胞における神経内視鏡下手術
Treatment Policy of Neuroendoscopic Surgery in the case of Large Middle Fossa Arachnoid Cysts.

高橋義男 (TAKAHASHI Yoshio)

大川原脳神経外科病院 とまこまい脳神経外科 小児脳神経外科

頭蓋内のう胞のうち、大脳正中部のう胞などは水頭症を伴うことが多く、神経内視鏡下手術(Endo)でののう胞縮小術ないしはのう胞脳室交通術は極めて有効である。一方、臨床で多く経験する中頭蓋窩〜シルビウス裂クモ膜のう胞(mfAraC)は、自然減少例があること、巨大でも症状に乏しいことなどから治療方針の判断は難しい。1993年から2008年までの15年間に経験したmfAraCの臨床経過から外科的治療の適応とその中におけるEndoの位置づけを検討した。
【対象と研究方法】
1993年〜2003年に道立小児センターで経験した6歳以下のmfAraC64例(A群)及び2004年からとまこまい脳神経外科で経験した0歳から78歳のmfAraC121例(B群)を対象とした。CT、MRI所見より1.小さなもの2.中程度で占拠所見を伴わないもの3.大きく占拠性所見を伴うもの4.大きく水頭症を伴うものに分け、各年齢層における画像分布を検討し、自然経過を推測した。また、A.B群6歳以下Endo例の転帰、併発症を検討し、Endoの治療適応と限界も考察した。
【結果】
1.画像分布:年齢が小さいほど占拠性を認めるmfAraCが多く、4歳以下例に発達の遅れの場合目立つ。2. 6歳以下92例中外科的治療を行ったのは50例で、35例(70%)は画像に明らかな改善を認めたが、明らかな症状の改善は10例(19.2%)にしか認めなかった。Endo例を含め外転神経麻痺、硬膜下血腫、硬膜下水腫などを含めた術中〜術後併発症は24例(48%)に認めた。3. 巨大でも保存的経過観察例にのう胞増大はなく、経時的評価で2例に減少傾向を認めた。
【まとめ】
1.水頭症を伴うmfAraCに対してはEndo下経脳室でののう胞開放、交通術が極めて有効である。2.水頭症を伴わないmfAraCは大きくとも症状を呈することは少なく、大部分が保存的でよいと思われた。3.外科的治療を選択する場合、水頭症がなければEndoによる交通術よりも、小開頭顕微鏡下手術で確実に交通につけるほうがよいと思われた。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目