第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール)16:00〜17:20

シンポジウム 2: 第三脳室底開窓術: 治療成績の評価と向上のための工夫

座長: 大井静雄、宮嶋雅一

1A-S2-4

脳腫瘍に伴う水頭症に対する神経内視鏡アプローチ
Neuroendoscopic approaches for hydrocephalus associated with brain tumors

村井尚之 (MURAI Hisayuki)、長谷川祐三、堀口健太郎、佐伯直勝

千葉大学 医学研究院 脳神経外科学

【はじめに】水頭症を伴った脳腫瘍では腫瘍摘出術以外に水頭症手術を必要とする場合が多く、水頭症の治療がQOLを考える上でより重要となることもある。我々は、積極的に内視鏡を用いて水頭症の治療を行ってきたので報告する。【対象と方法】対象は1999年から2008年12月までに当施設および関連病院で脳腫瘍に対して経鼻手術以外で内視鏡を用いた手術140件のうち水頭症を伴った95件85症例である。松果体近傍腫瘍19例、神経膠腫21例、頭蓋咽頭腫12例、鞍上部胚細胞腫瘍3例、下垂体腺腫3例、後頭蓋窩占拠性病変16例、その他11例である。術式は第3脳室底開窓術が52回(内27回で生検または部分摘出術施行)、中隔穿孔術(±シャントまたはオムマイヤ設置術)が21回であった。【結果】腫瘍に伴う水頭症に対しては第3脳室底の開窓や中隔穿孔術等が積極的行われ、水頭症の管理が容易となり、後頭蓋窩腫瘍で上向性ヘルニアを認めた症例は無かった。85例中65例(79%)で1回の内視鏡手術で満足いく水頭症のコントロールが得られ、42例(49%)で生検または部分摘出術を行った。第3脳室底開窓術は51例中46例(90%)で有効で,脳底部クモ膜下腔の癒着が強かった1例、高齢者の2例、術中出血1例、脳幹部gliosarcoma1例では無効であった。内視鏡手術後に腫瘍内出血をきたした3例中2例では新たな外科処置を必要とし、透明中隔の穿孔では2例(10%)に再閉塞を認めた。また、腫瘍の再増大による水頭症の再発が3例、第3脳室底開窓後3年後の髄液吸収障害による水頭症が1例認められた。【結語】脳腫瘍等にともなう水頭症に対する内視鏡治療は低侵襲且つ効果的であったが、水頭症治療後に腫瘍内出血をきたす例が有り十分な注意が必要である。尚、高齢者では第3脳室底開窓術が効果的でない症例があり、髄液の吸収障害のあることが示唆された。

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