第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)A 会場(3階 メインホール) 14:10〜15:00

特別講演 2

座長: 吉峰俊樹

1A-SL2

友田幸一 先生の顔写真

耳鼻咽喉科領域における内視鏡手術とナビゲーションシステム

友田幸一 (TOMODA Koichi ) 先生

関西医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 教授

 耳鼻咽喉科・頭頚部外科領域の中で、耳、鼻領域は解剖学的に狭い、奥深い器官で、術野を得るために顕微鏡、内視鏡が必須となっている。しかし局部は拡大され近視眼的になるため時に全体のオリエンテーションを失うことがある。安全で確実な手術を遂行する上で耳鼻科領域にもナビゲーションシステムが導入されるようになり、現在、国内の約40施設でナビゲーション手術が行われている。今日、その適応は拡大され鼻副鼻腔手術以外に耳科・側頭骨手術、頭頸部・頭蓋底手術、顎・顔面外傷の他に生検、手術教育、トレーニング、遠隔医療にまで広く応用されてきている。

 2007年に行なったアンケート調査の結果 1) では、鼻科手術が最も多く986例 (67%)、次に耳科手術327例 (22%)、頭頸部・頭蓋底手術158例 (11%)の順であった。また各領域の絶対適応例(ナビゲーションが無いと遂行できなかった)は、鼻科手術で269例 (27%)、耳科手術で49例 (15%)、頭頸部・頭蓋底手術27例 (17%) であった。具体的に耳・側頭骨領域では先天性外耳道閉鎖症、鼻副鼻腔領域では慢性副鼻腔炎(再手術)で、眼窩、視神経の確認のため、副鼻腔嚢胞では多胞性の嚢胞、前頭洞嚢胞、骨性に閉鎖された小さな嚢胞の確認、さらに先天性の後鼻孔閉鎖例など、頭頸部領域では骨腫、線維性骨異形成症、鼻咽腔血管線維腫、上顎癌の手術や頭蓋底手術において有用性が認められた。これらに共通する適応は、1)再手術例:解剖学的ランドマークが欠如した例、拡大術後症例など、2)高度、多発病変:一解剖領域外へ進展した例、副鼻腔の多房性嚢胞など、3)奇形手術:形態、機能の保存のためと考える。

 しかし個人的には術者の臨床経験に応じて必要な場面で使用するのが最も良い適応と考える。我々外科医は、これらの機器の能力を十分に理解した上で、正しく使用することが重要で、決して機器を過信して安易に使用してはならないことを最後に付け加えたい。

1) 友田幸一: 手術 ナビゲーションの臨床での使用実態に関するアンケート調査結果報告(2)耳鼻咽喉科。日本コンピュータ外科学会誌 88:53-67, 2008

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