第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:10〜17:25

ミニシンポジウム 2: 経鼻的内視鏡手術: 顕微鏡手術との比較

座長: 阿部琢巳、田原重志

1B-MS2-1

下垂体腺腫摘出術における内視鏡の役割
The role of endoscopy for transsphenoidal pituitary adenomectomy

高野晋吾 (TAKANO Shingo)、阿久津博義、津田恭治、松村 明

筑波大学 臨床医学系 脳神経外科

【目的】内視鏡導入前後での下垂体腺腫に対する同一術者による成績を比較検討する。
【対象・方法】1998年6月〜2008年6月に同一術者(TS)がTSAによる下垂体腺腫摘出術を行った180例。1998〜2005年(前期)の94例ではsublabial approach、顕微鏡による被膜内摘出が、2005〜2008年(後期)の86例ではendonasal approachによる内視鏡(エンドアーム)補助・顕微鏡手術による被膜外摘出を心がけた。さらに、後期手術ではナビゲイション、超音波ドップラーを用いた視神経管、頚動脈の位置確認から、左右方向で広いトルコ鞍底の開窓を行った。
【結果】鼻腔内操作に関して、後期ではX線透視装置が不要、術中の鼻出血が減少した。下垂体腺腫の内訳は前期 / 後期で非機能性54 / 65、成長ホルモン産生性17 / 17、プロラクチン産生性14 / 2、Cushing病8 / 5、その他0 / 2であり、後期でカバサール投与によりプロラクチン産生腫瘍の手術が減少した。機能性腺腫の治癒率は成長ホルモン産生腫瘍で前期 71%、後期 67%、Cushing病で前期、後期ともに100%と同等であった。被膜外全摘出が行えたのは前期 2%、後期 13.2%で有意に後期に多かった。残存腫瘍の割合は前期30%に対して、後期 23%で後期に減少した。残存腫瘍うち術後MRIから摘出できない理由は海綿静脈洞浸潤が前期 29%、後期 63%、繊維性腫瘍が前期 35%、後期 25%、前方伸展が前期 35%、後期 13%であり、内視鏡導入により海綿静脈洞浸潤以外の要素での摘出が増加した。1年以上経過後のホルモン補充(ステロイド、甲状腺)は前期 6%、後期 7%で同等であった。
【結語】内視鏡導入は鞍底の開窓部拡大や被膜外摘出と合わせて海綿静脈洞浸潤以外の要素(繊維性腫瘍、前方伸展)の摘出を可能にした。成長ホルモンの治癒率、術後のホルモン補充の程度に変わりはなく、鼻鏡を用いた内視鏡補助手術の限界かもしれない。

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