第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:10〜17:25

ミニシンポジウム 2: 経鼻的内視鏡手術: 顕微鏡手術との比較

座長: 阿部琢巳、田原重志

1B-MS2-4

Endoscopic Sinus Surgery : ESSを用いた内視鏡下下垂体手術 〜当院での治療成績と顕微鏡下手術との比較〜
Treatment outcome of endoscopic pituitary surgery

小林伸行 (KOBAYASHI Nobuyuki)、小熊啓文、安納崇之、渡辺英寿、市村恵一 1

自治医科大学 脳神経外科、自治医科大学 耳鼻咽喉科 1

【はじめに】当院では内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の手技を用い内視鏡下経鼻的経蝶形骨洞手術(以下eTNA)を行っている。篩骨洞開放後中鼻甲介を外側へ圧排、拡大した自然口から蝶形骨洞内に到達する本術式では、一側鼻孔を使用し粘膜剥離も最小限であり従来の経鼻法に比し侵襲も小さい。今回内視鏡手術導入前に当施設で行った顕微鏡下TSS(以下mTSS)と比較しeTNAの有効性と問題点を報告する。【対象と方法】2004年以降のeTNA 115例とそれ以前のmTSS 38例を対象とし腫瘍摘出率、手術時間、術後在院日数を検討した。また代表的合併症の尿崩症、髄液漏についても比較した。【結果】70%以上腫瘍摘出はeTNA 78%,mTSS 62.5%とeTNAで有意に高い。平均手術時間はeTNA 106分,mTSS 196分、平均術後在院日数もeTNA10日,mTSS 22日とeTNAで短縮された。遷延性DIはeTNA 2例,mTSS1例であった。髄液漏はeTNA 10例を認め5例で漏閉鎖術を要した。mTSSで髄液漏は認めなかった。【結論】eTNAはmTSSに比べ手術時間と術後在院日数が短縮されていた。当院でのeTNAの手術経路は一側鼻腔からの比較的狭い経路だが専用器械の工夫により高い腫瘍摘出率が確保できた。在院期間の短縮についてはeTNAの利点として術後鼻腔パッキングがほぼ不要であり、術後の違和感が軽く肉体的、精神的負担の軽減につながり、術後在院期間の短縮にも寄与したと考えられる。当院では拡大経蝶形骨洞手術の経験がなく言及はできないが、eTNAは通常の下垂体腺腫に関してはmTSSと同等の成績を保持しており内視鏡手術の有用性は高いと考える。一方、eTNAでは髄液漏の発生が多かった。これは新術式導入後の初期に多い点、経鼻法と経上口唇法との進入角度の相違や、摘出率向上に伴うくも膜の断裂が多かったなどが原因と思われる。現在eTNAにおける鞍底形成には骨片、サージセル、フィブリン糊を塗布し、Sinus Balloonで蝶形骨洞を充填するFBB法により髄液漏は激減している。

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