第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:10〜17:25

ミニシンポジウム 2: 経鼻的内視鏡手術: 顕微鏡手術との比較

座長: 阿部琢巳、田原重志

1B-MS2-7

甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腺腫の治療成績
Treatment results ofthyroid-stimulating hormome producing pituitary adenoma

米岡有一郎 (YONEOKA Yuichiro)、神宮字伸哉、藤井幸彦

新潟大学 脳研究所 脳神経外科

【目的】甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腺腫(TSHoma)は下垂体腺腫の約1%を占める稀な腺腫であり,外科的寛解は50-62.5%と報告されている。近年下垂体腺腫摘出に内視鏡が導入され,内視鏡支援下もしくは内視鏡単独にて手術成績向上の報告が散見される。当科におけるTSHomaの治療成績を,内視鏡手術導入前後で比較を行い,内視鏡手術が齎した影響を検討した。【方法】過去10年間に当科で治療され病理学的診断が確定しているTSHomaの7例を検討した。【結果】7例の内訳は男性が4名,女性が3名で,当科入院時年齢は8-70(平均37.6)歳であった。全例がMacroadenomaであった。このうち1例(40歳男性)は甲状腺機能亢進症顕性前に頭重を契機とした画像診断にて下垂体腺腫を指摘されたが,他は甲状腺機能亢進症もしくはInappropriate secretion of TSH(SITSH)で発症していた。先の3例が顕微鏡下経蝶形骨洞腫瘍摘出術(TSS)にて,後の4例が内視鏡下経蝶形骨洞手術(eTSS)にて摘出。術前画像にてTSS症例のうち2例で海面静脈洞浸潤(CSI)を認めたが,eTSS症例ではCSIを認めず。【成績】TSSでは3例中1例で術後に寛解。3例中2例で退院時にHydrocortisoneの補充を要した。Levothyroxine補充を要した症例は無かった。eTSSでは4例中4例で術後に寛解。退院時にHydrocortisoneの補充を要した症例はなく,4例中3例でLevothyroxine補充を要した。【考察】TSHomaは,1)浸潤傾向が強く,2)多数がMacroadenomaとして発見され,3)間質の線維化が顕著であり硬い腫瘍として知られており,手術では硬膜や海綿静脈洞への浸潤により摘出に難渋することが多い。海綿静脈洞浸潤を示した2例のTSS症例は外科的寛解を得られなかったが,海綿静脈洞浸潤(CSI)を認めなかったeTSS症例では4例ともに寛解が得られた。【結論】CSIを伴わず,巨大腺腫でなく,硬くないTSHomaは,eTSSにより寛解が期待できる。TSHomaは稀ゆえ更なる症例の蓄積が必要である。

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