第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

前の演題

第1日目、12月4日(金)B 会場(2階 203, 204)16:10〜17:25

ミニシンポジウム 2: 経鼻的内視鏡手術: 顕微鏡手術との比較

座長: 阿部琢巳、田原重志

1B-MS2-8

巨大下垂体腺腫に対する経鼻内視鏡手術—利点と限界
Endoscopic endonasal approach for giant pituitary adenoma

渡邉 督 (WATANABE Tadashi)、永谷哲也 1、安藤 等、粕谷泰道、伊藤英治、佐藤 拓、市川優寛、佐久間潤、齋藤 清

福島県立医科大学 脳神経外科、名古屋大学 脳神経外科 1

内視鏡を用いた手術の特徴は、小さな入口から、広い視野を確保できる点に集約される。この利点を最大限に生かすために、アプローチ、手術手技、手術器具が開発されてきた。
術野を側方、前方に広げた拡大蝶形骨手術は内視鏡の広い視野を利用した術式である。巨大下垂体腫瘍に対し、できるだけ頭蓋底の開窓を広げることにより摘出率の向上を図った。これまで経験した下垂体病変に対する経鼻内視鏡手術58例中6例が長径4cm以上のGiant adenomaであった。内5例でトルコ鞍外に術野を広げ、拡大蝶形骨手術を行った。髄液漏の修復には鼻粘膜フラップを作成し使用した。1例で全摘出、4例で亜全摘出、1例で部分摘出となった。全例で蝶形骨洞前壁は広く開放し、ワーキングスペースを確保した。海綿静脈洞から中頭蓋底に広がる腫瘍に対しては、上顎洞後壁を削除し外側に術野を広げ、ICの外側の病変の摘出を行った。前頭蓋底に進展する病変に対しては蝶形骨平面中央を削除し、前方に術野を広げ、摘出を試みた。腫瘍が柔らかく吸引可能であれば、腫瘍被膜内摘出を見える範囲で可能だが、Fibrousな腫瘍の場合、摘出が困難であった。また、腫瘍が被膜外に進展し、脳内、クモ膜下腔、脳室に及ぶものは摘出が危険であるので摘出不可能であった。2例で術後腫瘍出血を認め、内1例は第3脳室内血腫、水頭症を伴い治療を要し、1例は患側視機能低下を認めたが、経過観察とした。
経鼻内視鏡手術では視野角が広く、開窓部を広く確保でき、一期的にかなりの摘出まで到達できる。また、内視鏡を使い大きな鼻粘膜フラップを作成することで、確実な髄液漏修復が可能である。以上の2点は巨大下垂体腺腫の手術において内視鏡手術の利点といえる。しかし、Multiloblar tumorでは頭蓋内構造物との剥離が十分できるほどの術野ではなく、Fibrous tumorでは内減圧も困難で十分な摘出ができない。また、残存腫瘍からの術後出血の問題が重要な課題である。

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