第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

前の演題 次の演題

第1日目、12月4日(金)B 会場(2階 203, 204)8:30〜9:30

一般口演 1: 脳出血

座長: 加藤庸子、石原正一郎

1B-O1-7

小脳出血に対する神経内視鏡下血腫除去術
Endoscopic evacuation of cerebellar hemotoma

林 重正 (HAYASHI Shigemasa)、纐纈直樹、細島 理

公立陶生病院 脳神経外科

 小脳出血に対する神経内視鏡下血腫除去術は、手術時間の短縮による低侵襲性という点では開頭術に強い優位性を示す。しかし、特に後頭蓋への内視鏡手術では皮膚切開、穿頭部位により内視鏡の操作範囲が制限を受けやすく、止血操作創に不都合を生じる可能性があることに十分留意する必要がある。我々の症例の中で、この利点と注意点が特徴的であった代表症例を提示し考察を述べる。 症例:症例は75歳女性、既往歴は肥大型心筋症、Af、縦隔腫瘍、MAZE手術後、DM、CKD。急性心不全から肺炎、septic shockを併発してICUにて人工呼吸管理、CHDF導入した。その後小康状態を得ていたが、突然GCS:E1V2M4となり、頭部CTで直径5.5cm、液面形成のある右小脳出血と急性水頭症を認めた。緊急造影MRIでは出血源となった血管からの造影剤の血腫腔内への漏出が認められた。出血が続いていることが明らかとなり、緊急神経内視鏡下血腫除去術を側臥位にて施行した(手術時間80分)。術後3ヶ月の時点でmRS: Grade 4、歩行練習を行う状態に改善した。 長時間の麻酔や腹臥位手術が困難な状態では神経内視鏡の低侵襲という開頭術に対する優位性が際立つ。しかし確実な止血が行われなければ、低侵襲は治療成績の改善には結びつかない。想定される出血点を神経内視鏡の操作範囲内に収める為には、計画した穿頭部を通した神経内視鏡の挿入方向が術者から操作しやすい適切な体位を選択することが重要である。これに加えて皮膚、筋の切開をやや広めに行うことは内視鏡の操作範囲を広げるだけでなく、縫合線などのランドマークが明らかになることで静脈洞などを避けて正確な穿頭を行える利点を有する。

Home ご案内 日程表 プログラム 1日目 プログラム 2日目