第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)D 会場(3階 ホワイエ お城側)13:05〜13:35

ムービーセッション 2: くも膜嚢胞 1

座長: 間瀬光人

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内視鏡下経蝶形骨洞手術を行った鞍上部くも膜嚢胞の1例
An elder case of suprasellar arachnoid case underwent endoscopic transsphenoidal surgery

相見有理 (AIMI Yuri)、永谷哲也 1、大澤弘勝、吉田光宏、中林規容、市原 薫、伊藤八峯

市立四日市病院 脳神経外科、名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学 1

【緒言】視力障害をきたした高齢者の鞍上部くも膜嚢胞に対し、内視鏡下経蝶形骨洞手術を行い、筋膜・脂肪を用いて鞍底形成を行った1例について報告する。
【症例および方法】80歳女性。数年前より視力低下あり。近医で進行性の視力低下、耳側半盲とMRIにて下垂体腫瘍を指摘された。Va (0.3/0.2), VF 両耳側半盲。MRIにて鞍上部に径25mmの壁が均一に造影される嚢胞性腫瘤を認めた。高齢、高度の視力障害、ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫の可能性、などの理由から内視鏡下経蝶形骨洞手術を選択した。両鼻孔よりアプローチし、蝶形骨洞を下方は内側翼突板の基部、側方は上顎洞の内側壁まで削除した。硬膜を切開すると、正常下垂体が認められ、開窓すると、無色透明の液体が流出した。嚢胞内を観察すると、視交叉の後方に小孔が開いており、髄液の流入が認められた。腹直筋筋膜を小孔にあてがったところ髄液漏は止まり、腹壁の脂肪を鞍内にパックした。さらに硬膜を縫合して、フラップ状にした鼻中隔粘膜とフィブリン糊で鞍底の再建を行った。術後CTにて嚢胞は消失し、髄液漏は認めず、視力・視野は改善し、一過性尿崩症を認めるも、第7病日には独歩退院した。
【結論】鞍上部くも膜嚢胞は非常にまれな疾患であるが、増大すると頭痛・視力障害をきたすことがあり、治療を要する。内視鏡下経蝶形骨洞手術による嚢胞開窓は低侵襲であるが、髄液漏が問題となるため、鞍底の再建が重要である。今回腹直筋筋膜と脂肪のパッキング、硬膜縫合、鼻中隔フラップによる再建は有用であった。

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