第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)D 会場(3階 ホワイエ お城側)13:05〜13:35

ムービーセッション 2: くも膜嚢胞 1

座長: 間瀬光人

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閉塞性水頭症を伴う四丘体槽くも膜嚢胞に対し神経内視鏡手術を施行した一例
Quadrigeminal arachnoid cyst with obstructive hydrocephalus treated with neu roendoscopic surgery

斎藤太一 (SAITO Taiichi)、富永 篤、迫口哲彦、木下康之、栗栖 薫、勇木清 1

広島大学 脳神経外科、東広島医療センター 脳神経外科 1

【緒言】四丘体槽くも膜嚢胞は全クモ膜嚢胞の約5〜10%と比較的稀な疾患である。典型的な症状は、頭蓋内圧亢進症状と四丘体圧迫による眼症状であるが、中脳水道狭窄による閉塞性水頭症の原因にもなる。以前は嚢胞腹腔短絡術、開頭による嚢胞壁切除術等も行われていたが、最近では神経内視鏡手術が積極的に行われるようになっている。今回我々は閉塞性水頭症を伴った四丘体槽くも膜嚢胞に対し、神経内視鏡手術を行った症例を経験したので報告する。【緒言】3歳の男児で、正常分娩にて出生。定頚4ヶ月、歩行開始1歳5ヶ月と軽度の発達遅滞を認めた。歩行障害を主訴に3歳時に近医にてMRIを施行され、四丘体槽部の嚢胞性病変および脳室拡大所見を指摘された。東広島医療センターへ紹介受診の後、広島大学病院 脳神経外科に紹介入院となった。入院時、精神発達はほぼ正常で、軽度の両下肢の筋力低下および頭囲拡大を認めた。右前角穿刺にて神経内視鏡(町田社性 軟性鏡)下に嚢胞前壁の開放および第三脳室底開窓術を行った。術後、嚢胞サイズの縮小傾向を認め、歩行障害も徐々に改善傾向を認めた。【考察】本疾患に対する従来の嚢胞腹腔短絡術/開頭による嚢胞切除術と神経内視鏡手術との治療成績を比較検討した報告では、症状の改善率では差はないものの、完治率では神経内視鏡手術のほうが優れているという結果を示している。問題点としては(1)Ventriculo-cystostomyで十分か、Ventriculo-cysto-cisternostomyが必要か?、(2)適応となる年齢は?、(3)長期成績は?といった点が挙げられ、これらの点に関しても考察を加える。【結語】本疾患に対する神経内視鏡手術は低侵襲であり、第3脳室底開窓術を同時に行うことにより水頭症に対する処置も併せて行えることから、今後、第一選択の治療として確立しうるものと考えられた。しかし長期成績に関しては未だ不明であり、今後慎重な経過観察が必要と考えられた。

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