第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)D 会場(3階 ホワイエ お城側)13:35〜14:05

ムービーセッション 3: くも膜嚢胞 2

座長: 佐久間 潤

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内視鏡的開窓術が奏功した新生児後頭蓋窩巨大クモ膜嚢胞の一例
A case of neonate posterior fossa large arachnoid cyst treated by endoscopic fenestration

朴 永銖 (PARK Young-soo)、堀内 薫、西村文彦、平林秀裕、中瀬裕之

奈良県立医科大学 脳神経外科

【症例】09年3月16日出生の男児。在胎28週のUSで児頭大横径の異常、35週のMRIで後頭蓋窩に嚢胞性病変を指摘されている。38週3日に出生、体重3690g、胸囲33cm、頭囲37cm、大泉門は軽度緊張。合併症としてファロー四徴症を認めた。Day2のMRIでは後頭蓋窩のcystは第四脳室との交通はなく、脳幹・小脳は前方へ著しく圧迫されていたが、脳室系の拡大は認めていなかった。画像所見から巨大なretro-cerebellar arachnoid cystと診断した。合併する心臓奇形の治療もあり、当面は経過観察する方針とし生後1ヵ月頃に手術治療を検討することにした。Day17のCTではcystは軽度増大したのみであったが、中脳水道における髄液循環障害により tri-ventriculomegaly 状態となっていた。呼吸状態が安定するのを待って、手術を計画した。アプローチとして前方、側方、後方からが考えられ、術式として嚢胞—腹腔短絡術、開頭による開窓術、内視鏡的開窓術が考えられた。諸条件を検討した結果、内視鏡手術を選択し、前方からアプローチし、第3脳室後壁からcystを開窓し、同時にETVを追加することにした。Day37に手術施行、内視鏡システムはOi Handy Proを使用した。右前頭極付近からエコーガイド下に右側脳室を穿刺、モンロー孔を経由し、第3脳室の後壁に低容量の凝固を加えた後に穿刺、嚢胞を開窓した。内視鏡を慎重に嚢胞後壁の最深部まで進めた。次に、大泉門から脳室穿刺を加え、型の如く第3脳室底を開窓した。術後速やかに嚢胞は縮小し、閉塞性水頭症も改善した。【考察】第3脳室後壁周囲にはガレン静脈など重要な構造物が存在し、内視鏡による開窓は危険が高いと考えられた。今回、thin slice MRIを詳細に検討し、最小径のOi Handy Proを使用することにより合併症無く良好な結果を得ることが出来た。新生児期の内視鏡的開窓術の適応・治療成績の文献的考察を加え症例を提示する。

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