第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)D 会場(3階 ホワイエ お城側)13:35〜14:05

ムービーセッション 3: くも膜嚢胞 2

座長: 佐久間 潤

1D-Mov3-4

慢性硬膜下血腫を合併したくも膜のう胞に対する神経内視鏡による手術の検討
Neuroendoscopic treatment for the arachnoid cyst associated with chronic subdural hematoma

植田 裕 (UEDA Yutaka)、河野隆幸、矢野茂敏、倉津純一

熊本大学 脳神経外科

【背景】くも膜のう胞は頭蓋内占拠性病変の約1%を占め、軽度の頭部外傷により慢性硬膜下血腫(CSDH)を合併しやすいといわれている。しかし、慢性硬膜下血腫を合併した場合のくも膜のう胞の治療については確立されておらず、自験例を通し検討した。【症例】16歳男性、頭痛精査の頭部CTでくも膜のう胞を指摘されていた。3週間後、頭痛が悪化、新たに硬膜下血腫を合併した。項部硬直や、うっ血乳頭がみられた。MRIで左中頭蓋窩にくも膜のう胞があり、薄い硬膜下血腫が接し、同じ信号強度であった。穿頭で血腫除去のみを行うことで症状は一旦軽快した。術中、血腫内腔を内視鏡で観察すると、くも膜のう胞被膜の一部が断裂していた。手術3週間後に頭痛が再発、硬膜下血腫は増加し、のう胞内も血腫に変化した。開頭手術による血腫被膜除去術を行った。術後、症状は軽快し、1年の経過観察で再発みられていない。【考察】くも膜のう胞の存在はCSHのリスクファクターとされている。くも膜のう胞とCSHに交通があると、Flap-valve mechanismやのう胞壁の破裂などにより、のう胞増大やのう胞内に出血をきたすことがある。CSH合併例に対してはCSHのドレナージでよいという報告があるが、今回のように交通があるときは不十分である。のう胞を温存したことで更なる手術が必要となった可能性が考えられた。くも膜のう胞にCSHを合併した場合、内視鏡による観察で両者の交通性を評価し、交通の有無に応じて治療法を検討する必要があると考えた。

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