第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

次の演題

第1日目、12月4日(金)E 会場(3階 ホワイエ ANA側)13:05〜13:35

ムービーセッション 4: 症例報告 1

座長: 村井尚之

1E-Mov4-1

モンロー孔周囲脈絡叢の転移性脳腫瘍の1例
Metastatic brain tumor at choroid plexus around monro foramen: a case report

津田恭治 (TSUDA Kyoji)、高野晋吾、大須賀覚、阿久津博義、松村 明

筑波大学 臨床医学系 脳神経外科

【はじめに】転移性脳室内腫瘍は全脳室内腫瘍の6%、転移性脳腫瘍患者の0.14%とまれな疾患である。内視鏡による腫瘍性生検が有効であったモンロー孔周囲脈絡叢の転移性脳腫瘍を報告する。
【症例】55歳の男性。2008年7月にめまい、頭重感、言動の異常、記銘力低下が出現し来院。既往歴に2型糖尿病(インスリン導入)、脳梗塞。入院時現症ではJCS I-2でありるいそう(BMI 16)を認めた。血清IL2Rが1249と高値。MRIではモンロー孔部に増強効果の強い1cmの腫瘍を認め、左側脳室の拡大を認めた。リンパ腫、脈絡叢乳頭腫、グリオーマ、転移性脳腫瘍が鑑別診断として考えられた。左前角穿刺にて内視鏡を挿入するとモンロー孔は腫瘍で閉塞されており、腫瘍生検およびモンロー孔前縁に第3脳室への交通を設けた。病理組織はcytokeratin 7 (+), EP4 (+)の転移性腺癌であった。術後は水頭症が軽快していたが術後20日で腫瘍増大により水頭症が再発したため、両側脳室腹腔シャントを施行した。全身検索で原発巣として非小細胞肺癌が発見された。全身状態不良のため転移性脳腫瘍に対して放射線局所照射(54Gy/30Fr)を施行、腫瘍縮小がみられるも、全身状態の悪化により術後130日で死亡された。
【考察・結語】転移性脳室内腫瘍で最も頻度が高いのは腎細胞癌、次いで大腸癌、肺癌と報告されている。本症例の脈絡叢への転移機序は、1)免疫能低下により脈絡叢への免疫細胞集積低下、2)豊富な血流を解した血行性転移、3)液体産生・分泌組織である肺腺癌と脈絡叢の構造類似によるtropism(向性)が考えられた。内視鏡は転移性脳室内腫瘍の診断および水頭症の治療に非常に有効であった。

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