第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)E 会場(3階 ホワイエ ANA側)13:05〜13:35

ムービーセッション 4: 症例報告 1

座長: 村井尚之

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神経内視鏡にて診断と治療を行った中脳水道の上衣腫に脳室内結節及び多発大腸腺腫と大腸癌を合併した一症例
A case of neuroendoscopically treated aqueductal ependymoma coexisting with multiple intraventricular nodules, multiple colon adenomas and a rectal adenocarcinoma.

武笠晃丈 (MUKASA Akitake)、辛 正廣、高見浩数、斉藤延人

東京大学 医学部 脳神経外科

症例は57才男性。数ヶ月の経過で緩徐に進行する歩行障害、記憶障害、水頭症を主訴に来院。頭部CTにて水頭症および中脳水道を閉塞する腫瘍性病変を認めた。これは径14mm大のcysticな病変でMRI上Gdにて造影効果を認めた。PETでは同部位に軽度の集積増加を認め、この他に右側脳室前角外側部にも僅かな集積を認めた。また、全身PETでは右上行結腸に腫瘍性の壁肥厚を認め大腸癌が疑われた。大腸ファイバーを施行したところ、大腸内に複数の腺腫性ポリープと分化型結腸腺癌が確認された。この患者のADL改善と診断を目的に、神経内視鏡を用いた第三脳室底開窓術および腫瘍生検術を行った。側脳室外側壁のPETにて集積を認めた部位は腫瘍の播種も疑っていたが、内視鏡による観察では円形の結節を認めるのみであったため生検は行わなかった。腫瘍の病理診断はependymomaであったが、血管周囲ロゼットの形成は明らかではなく、褐色色素の沈着が目立つなど非典型的な病理像を呈していた。術後、消化器外科にて大腸癌の切除術が施行された。この患者は上衣腫に脳室内の多発結節及び多発大腸腺腫と大腸癌を認めるなど多重癌の患者であった。 上衣腫を含めた脳腫瘍に大腸病変を合併する症候群としてはTurcot症候群が知られ、主に神経膠腫に遺伝性非ポリポーシス大腸癌を伴いDNAミスマッチ修復遺伝子の変異を認めるType1と、主に髄芽腫に家族性大腸腺腫症を伴いAPC遺伝子の変異を認めるType2が知られているが、いずれも上衣腫を合併しうる。今回は倫理的な側面から遺伝子変異の探索は行われなかったが、このような症候群の類型である稀な症例の可能性があったため報告した。

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