第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)E 会場(3階 ホワイエ ANA側)13:05〜13:35

ムービーセッション 4: 症例報告 1

座長: 村井尚之

1E-Mov4-5

経第3脳室底での観察が有用であった脳幹部腫瘍の1例
A case of brainstem tumor inspected with third ventriculostomy

長谷川祐三 (HASEGAWA Yuuzou)、村井尚之、堀口健太郎、矢吹麻里子、佐伯直勝

千葉大学 医学研究院 脳神経外科学

【はじめに】髄内か髄外か診断に難渋し内視鏡が有用であった脳幹部腫瘍の1例を経験したので報告する。【症例】症例は71歳の女性で、2008年9月初旬に右顔面麻痺を自覚し頭部CTにて右小脳橋角部に腫瘍を認め、当院へ紹介受診。その後症状は急速に悪化し歩行障害・嚥下障害・摂食不良・体重減少を認め10月6日に緊急入院となった。 画像検査では橋から小脳橋角部に約2cm腫瘍を認め、1週間で明らかに増大していることが確かめられた。腫瘍はCTでは等吸収域を示し、MRIではT2で軽度高信号、T1では等信号でほぼ均一に造影され一部にtail signを認めた。また脳室拡大の進行を認めたが腰椎穿刺では初圧 8.5cm水柱、細胞数6(異常細胞なし)、TP 2006mg/dl、GLU 89mg/dlであった。Gaシンチ、全身のCT等行うも肝内の小さな嚢胞以外に異常なく、脳血管撮影では腫瘍濃染像を認めなかった。 脳室拡大に対する治療と生検を意図して、10月9日町田社製の4Lと細経内視鏡と各種生検鉗子、ME-2、オムマイヤリザーバーを準備し、まず第3脳室底を開窓した。腫瘍はやや赤みを帯びていたが橋と連続して続いており、硬膜とは一部で接してくも膜が肥厚しているように見えた。内視鏡では実質内腫瘍と判断し生検は行わず、脳室カテを開窓部超しに病変部近傍に留置し、オムマイヤに接続した。術後髄液の持続ドレナージやステロイドパルスを行うも効果なく、10月18日に永眠された。 剖検の結果は、脳幹部実質内腫瘍で髄膜腫様の硬さであった。組織学的にはgliosarcomaと診断された。【結語】gliosarcomaが後頭蓋窩に発生することは稀であり生前には確診まではいたらなかったが、神経内視鏡による経第3脳室底での観察が髄外発育をした脳幹部gliosarcomaの髄外・髄内の鑑別および治療方針の決定に有用であった。

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