第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第1日目、12月4日(金)E 会場(3階 ホワイエ ANA側)13:35〜14:05

ムービーセッション 5: 症例報告 2

座長: 野村貞宏

1E-Mov5-2

内視鏡的治療を行った第三脳室底からトルコ鞍内に進展する上衣のう胞の一例
Third ventricle ependymal cyst extending to sella turcica treated by endoscopic transsphenoidal surgery

小林浩之 (KOBAYASHI Hiroyuki)、寺坂俊介、山口 秀、村田純一 1、田中伸哉 2

北海道大学大学院 医学研究科 神経外科、札幌麻生脳神経外科病院 1、北海道大学大学院 医学研究科 分子細胞病理 2

トルコ鞍内から鞍上部に進展する上衣のう胞は極めてまれである。今回本疾患に対し内視鏡的蝶形骨洞手術にて治療する機会を得たので報告する。 症例は57歳男性。3ヶ月前からの視野障害を主訴に当科受診。MRIにて鞍内から鞍上部、第三脳室底部に進展するのう胞性病変を認めた。鞍内では下垂体が腹側に圧迫されていた。鞍上部では視神経、下垂体柄は腹側上方に偏移していると考えられた。また、のう胞内容は髄液とほぼ等信号であった。神経症状として両耳側上1/4半盲を認め、下垂体機能は正常範囲内であった。視神経の除圧を目的に内視鏡的経蝶形骨洞手術を施行。鞍底を開窓すると膜様の組織が確認できたので小切開を加えたところ髄液様の内容液が流出。その後わずかに内溶液の流出が続いたため脂肪組織を蝶形骨洞内に補填した。術中所見からくも膜のう胞を疑った。術後MRIではのう胞の縮小と視神経、下垂体柄の除圧が確認された。自覚的な視野改善も見られ退院としたが、3週間後髄液鼻漏にて再入院。MRIにてのう胞の再増大と側脳室内に空気の貯留が見られた。髄液漏修復とのう胞壁の切除を目的に経蝶形骨洞的に再手術を施行。鞍内のう胞は線維質の組織で、下垂体背側の鞍隔膜欠損部を通じて鞍上部に連続していることが確認できた。鞍隔膜を切開し鞍上部の膜様組織を切除することでのう胞とくも膜下腔とを交通させた。また、頭側の膜を切除すると第三脳室が開放された。筋膜、脂肪、鼻粘膜を用いて鞍底形成しサイナスバルーンで圧迫、髄液ドレナージも5日間行った。術後一過性の尿崩症が見られたが回復、下垂体前葉機能にも問題認めなかった。視野も改善傾向である。鞍内および鞍上から採取した膜様組織には線毛を有する上皮構造が見られ、上衣のう胞と診断した。 トルコ鞍周囲の上衣のう胞はこれまで報告例が見られない。そこで他のトルコ鞍周囲に発生するのう胞性病変と本症例を比較検討し報告する。

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