第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 12:00〜12:50

ランチョンセミナー 2

座長: 小川 彰

2A-LS2

木内博之 先生の顔写真

顕微鏡手術に対する神経内視鏡支援の実際

木内博之 (KINOUCHI Hiroyuki) 先生

山梨大学大学院医学工学総合研究部 脳神経外科学講座 教授

 近年の光学技術の進歩に伴い、内視鏡の光量、倍率、精度が飛躍的に向上し、加えて精密な操作性を有する内視鏡支持装置も開発され、内視鏡の脳神経外科領域への応用範囲が拡大している。動脈瘤クリッピング術、脳腫瘍摘出術、微小血管減圧術などの頭蓋底近傍を主座とする手術においては、手術用顕微鏡のみでは少なからず死角が生じるため、これまで我々は支持装置固定内視鏡を導入し、病変部の全周的観察を行い、手術の確実性の向上に努めてきた。そこで、今回、この内視鏡支援手術の実際について紹介する。
 使用している内視鏡は、外径2.7 mm、側視角30°あるいは70°の硬性鏡で、支持装置が一体化したエンドアーム( オリンパス)により固定し、内視鏡の側視角を有効活用し、可及的に同時観察下に手術操作を行っている。 動脈瘤クリッピング術では、視神経、前床突起、母血管などの背後に存在するネックや穿通枝の確認に有用である。微小血管減圧術では、小脳や脳神経の牽引を可及的に軽減したうえでREZの圧迫血管ならびに接触面を直視下に確認することが可能となる。特に、三叉神経痛では多くが腹側面への圧排であり、Meckel腔からREZまでいずれの部位の圧迫でも発症することより内視鏡による観察は威力を発揮する。頭蓋底腫瘍の摘出においては、摘出前に腫瘍や神経構造物の背後に存在する神経や血管などの重要構造物の観察が可能となり、剥離や内減圧における安全性に貢献する。
 内視鏡の導入により顕微鏡の弱点が克服され、手術の安全性と確実性が向上している。しかし、内視鏡を術野に導入することは、神経損傷などの合併症の危険性を高めるため、十分な注意を払いながらその利点を生かさなければならないことも強調したい。

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