第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

次の演題

第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 8:30〜9:50

シンポジウム 3: 内視鏡手術は顕微鏡手術を凌駕したか: 下垂体手術

座長: 佐伯直勝、喜多村孝幸

2A-S3-1

経鼻経蝶形骨手術における内視鏡の役割と弱点
The role and weakpoint of endoscope in transnasal transsphenoidal surgery

丸山啓介 (MARUYAMA Keisuke)、山口竜一、栗田浩樹、塩川芳昭

杏林大学 脳神経外科

【目的】経鼻経蝶形骨手術(TSR)における内視鏡の役割と弱点につき検討し、よりよい手術アプローチについての考察を目的とした。
【方法】対象は自験のTSR症例74例。疾患の内訳は下垂体腺腫57例(うち機能性13例)、ラトケ嚢胞6例、その他11例。2006年2月までの38例は内視鏡単独で行い、それ以降の36例は顕微鏡を主体として必要に応じて内視鏡を併用する方針とした。
【結果】内視鏡は特に側方伸展の観察および摘出に有効で、トルコ鞍が下方に伸展している例でも有効であった。一方でもともと深くて狭いworking spaceに内視鏡が入るために操作性の面では不利と感じた。脳出血に対する手術等と異なり手術侵襲は変わらないか、両側鼻孔を利用する場合はむしろ増えると考えた。慣れるまでに時間も要し教育的観点からも不利であり、手術時間も長くなる傾向があった。腫瘍の性状判断、特に三次元的観察には必ずしも有利ではなかった。顕微鏡主体に方針変更後はより速やかにトルコ鞍底に達し腫瘍の摘出を行えた。腫瘍被膜を海綿静脈洞や鞍隔膜からダイナミックな操作で剥離することで摘出度を上げることができた。うち36%の症例で内視鏡を併用し側方を中心とした残存腫瘍の確認と追加切除を行った。蝶形骨洞がconchal typeの例では顕微鏡下でのNavigationを併用したdrillingが有効であった。顕微鏡主体症例での全摘出率は83%、合併症率は3%、機能性下垂体腺腫でのホルモン治癒率80%と、満足な結果が得られた。
【結論】我々は顕微鏡を主体とし必要に応じて内視鏡を併用するアプローチが最適と考える。この方法は迅速・ダイナミックな操作には非常に有利で、安全かつ確実なTSRを行うことが可能であった。内視鏡は側方伸展例やトルコ鞍の不規則な例では威力を発揮するが、操作性・教育的観点・侵襲性の点では必ずしも有利とは限らない点で、TSRにおける近年の内視鏡至上主義の傾向に警鐘を鳴らしたい。

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