第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 8:30〜9:50

シンポジウム 3: 内視鏡手術は顕微鏡手術を凌駕したか: 下垂体手術

座長: 佐伯直勝、喜多村孝幸

2A-S3-5

内視鏡下経鼻経蝶形骨手術:腫瘍摘出と鞍底形成の手技の変遷
Endoscopic transsphenoidal surgery: changes in technique of tumor removal and sellar reconstruction

石井雄道 (ISHII Yudo)、田原重志、喜多村孝幸、寺本 明

日本医科大学 脳神経外科

当施設では上口唇下切開による顕微鏡下経蝶形骨手術を行ってきたが、2001年より内視鏡下手術を導入、現在では全例にて内視鏡下経鼻経蝶形骨手術を行っている。内視鏡手術では顕微鏡手術に比べて上方視認性が向上したことにより、鞍上進展例において安全に一期的摘出ができるようになった。また側方進展例でも目視下に摘出ができるため、Knosp grade 2までなら確実に全摘出が可能となった。しかし従来の吸引摘出のみでは、鞍上進展例において術後に摘出腔内出血を起こしたり、また機能性腺腫においてホルモンの正常化が得られないことがある。今回、現在行っている内視鏡下経鼻経蝶形骨手術における腫瘍摘出の手技と鞍底形成の手技について述べる。内視鏡技術の発展により鮮明で明るい画像が得られるようになり顕微鏡をしのぐ手術が行えるようになり、特に正常組織と腫瘍との境界となる腫瘍の偽性被膜を同定し全周性に剥離摘出していくことにより確実な摘出が行えるようになった。当施設では機能性腺腫、非機能性腺腫の両者に対し積極的にこの手技での摘出を行い良好な結果が得られている。機能性腺腫、とくにプロラクチン産生腺腫では偽性被膜を含めた摘出により鞍内限局型であれば手術を行った30例の90%で治癒が得られた。また非機能性腺腫で鞍上進展を伴った30例の検討では、全症例にて偽性被膜が存在し、鞍上部においても内視鏡で目視下に剥離操作が行えた。偽性被膜を全摘できた17例では術後出血は全く見られず、一部癒着が強く残した9例では少量の出血、全周性に追うことができなかった4例では摘出前の腫瘍と同サイズの血腫を認めた。以上より偽性被膜を含めた摘出は有用な手技であると考えられる。また鞍底形成に関しては、従来の方法に加え硬膜縫合を行っている。内視鏡手術では腫瘍摘出時に硬膜切開を最小限としておくことができ、これにより鞍底形成をより強固にできると考えている。

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