第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 8:30〜9:50

シンポジウム 3: 内視鏡手術は顕微鏡手術を凌駕したか: 下垂体手術

座長: 佐伯直勝、喜多村孝幸

2A-S3-7

内視鏡単独での経鼻経蝶形骨洞手術の治療成績と術中MRIの有用性
Surgical results of endoscopic transsphenoidal surgery for pituitary adenoma and usefulness of intraoperative high field MRI

久下淳史 (KUGE Atsushi)、佐藤慎哉、櫻田 香、竹村 直、嘉山孝正

山形大学 医学部 脳神経外科

(はじめに)当施設では、国内でいち早く内視鏡単独の経蝶形骨洞法(eTSS)を導入した.また、2008年7月から手術室に高磁場MRIを導入し、術中の腫瘍摘出に関する評価を開始した.今回はこれまでeTSSの手術成績と新たに導入した術中MRIの有用性に関して検自験例を検討しその治療成績と今後の発展性について論じる.(対象)1997年4月〜2009年4月までにeTSSを施行した198例、223手術である.内訳は下垂体腺腫191例,ラトケ嚢胞12例, その他20例であった.術中MRIを施行した症例は14例である.(方法)治療成績に関して1997年4月以前に施行した顕微鏡下経蝶形骨洞法(mTSS)で摘出した82例とeTSSとの摘出率、ホルモン正常化率の検討を行った.また、術中MRIを施行した14例のMRI所見、手術所見から術中MRIの有用性に関する検討を行った.(結果・考察) 下垂体腺腫の治療成績に関してmTSSで摘出した82例と比較するとeTSS症例で摘出率、ホルモン正常化率はやや優れていた.これは3DCT virtual navigationによる術前検討や術中ナビゲーションシステム、内視鏡固定装置、内視鏡下専用手術器械と行った周辺装置の開発・導入に加えて、内視鏡の特性である視野角(0~70°)を有効に利用した手術操作の習熟によって手術の安全性と有効性が高まってきたためと考えられた.術中MRI施行例では14例中2例で残存腫瘍を確認した.1例は海綿静脈洞浸潤例で意図的に残存させたもの、1例は追加切除を行ったものである.少数の経験であるが術中高磁場MRIは意図していない残存病変も明瞭に描出することが可能であった.(まとめ)内視鏡の特性を十分に利用した手術を行うことで内視鏡単独経蝶形骨洞手術の治療成績を向上させることが可能と思われる.また、術中高磁場MRIは術中のquality controlを保つうえで有用である.

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