第16回日本神経内視鏡学会 抄録
The 16th Annual Meeting of the Japanese Society for Neuroendoscopy

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第2日目、12月5日(土)A 会場(3階 メインホール) 13:00〜14:10

シンポジウム 4: 内視鏡支援顕微鏡手術

座長: 佐野公俊、伊達 勲

2A-S4-1

内視鏡支援による脳動脈瘤クリッピング手術:その有用性と限界
Clipping of cerebral aneurysms with endoscopic observation: usefulness and limitations

久門良明 (KUMON Yoshiaki)、渡邉英昭、井上明宏、岩田真治、大上史朗、大西丘倫

愛媛大学 医学部 脳神経外科

【目的】脳動脈瘤クリッピング手術における内視鏡支援の有用性と限界について検討した。【方法】2002〜2008年に脳動脈瘤直達手術を行った連続171例を対象とした。内視鏡の併用は111例(破裂28例、未破裂83例)、非併用は60例(破裂27例、未破裂33例)であった。内視鏡は2.7ミリ径のオリンパス社製硬性鏡(30°ないし70°)を用手的に用いたが、25例ではエンドアーム(オリンパス社)を使用した。【結果】1)内視鏡併用の目的は、クリッピング前には動脈瘤周囲の穿通枝の走行や瘤ネックと親動脈の関係、クリッピング中ないし後にはクリップ先端の位置、穿通枝の温存、瘤ネックの残存や親動脈狭窄の有無を観察することであった。2)内視鏡を固定使用して手術操作を観察することは、ネック残存や穿通枝等を確認しながらクリップの位置を微調整できるため、クリップのかけ直す回数を減らせた。3)内視鏡は顕微鏡の死角を補い、画像も鮮明なため、顕微鏡で迷う所見の判断に役立った。内視鏡所見によりクリップをかけ直したのは29例あり、クリップ先端が不十分(15例)、クリップでの穿通枝の圧迫や閉塞(8例)、瘤ネックの残存(7例)、親動脈の狭窄(2例)が原因であった。4)術後のMRI/CTでの穿通枝領域の梗塞は、内視鏡併用群では破裂4例、未破裂3例の7例(6%)に認められ、破裂例はIC-PCが2例、ACoAとBA tipが1例ずつ、未破裂例はMCAが3例であった。そのうち1例(1%)が症候性で、破裂BA tip瘤であった。一方、非併用群では破裂4例、未破裂1例の5例(8%)に認められ、破裂例はACoAが2例、IC-PCとBA tipが1例ずつ、未破裂例はMCAが1例であった。そのうち3例(5%)が症候性で、破裂ACoA、破裂BA tip、未破裂MCA瘤が1例ずつであった。【結論】内視鏡支援下に脳動脈瘤クリッピング術を行うことで、より安全で確実な手術が可能となったが、穿通枝梗塞の防止には限界があった。

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